八戸市議会 2017-03-01
平成29年 3月 定例会-03月01日-04号
29番 秋山恭寛 君
30番 大館恒夫 君
31番 坂本美洋 君
32番 吉田博司 君
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欠席議員(なし)
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地方自治法第121条による出席者
市長 小林 眞 君
副市長 田名部政一君
副市長 大平 透 君
総合政策部長 千葉憲志 君
まちづくり文化スポーツ観光部長
風張知子 君
総務部長 大坪秀一 君
財政部長 原田悦雄 君
商工労働部長 中村行宏 君
農林水産部長 出河守康 君
福祉部長 加賀仁志 君
健康部長 工藤 朗 君
市民防災部長 石田慎一郎君
環境部長 後村 勉 君
建設部長 佐々木隆二君
都市整備部長 澤田美智明君
教育長 伊藤博章 君
教育部長 佐藤浩志 君
交通部長 村岡威伴 君
市民病院事務局長 小林憲博 君
監査委員 早狩博規 君
総務部理事 細越敬一郎君
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出席事務局職員
事務局長 吉田幸司
次長兼庶務課長 栄田千鶴子
次長兼議事課長 池田和彦
主幹(
議事グループリーダー)
鈴木 馨
主査 知野大介
主査 見附正祥
主査 林 一秀
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午前10時00分 開議
○議長(吉田淳一 君)これより本日の会議を開きます。
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△日程第1 一般質問
○議長(吉田淳一 君)日程第1一般質問を行います。
順次質問を許します。
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17番 藤川優里君質問
○議長(吉田淳一 君)17番藤川優里議員の質問を許します。藤川議員
〔17番藤川優里君登壇〕(拍手)
◆17番(藤川優里 君)おはようございます。さわやかな3月の朝、早速質問に入らせていただきます。
初めに、港湾行政について伺います。
日本に輸出入される物資の99%以上は海運によってもたらされておりますが、ドライバー不足や環境問題が指摘される中、モーダルシフトが求められ、世界規模で港湾の重要性が増しています。
平成28年の八戸港
コンテナ取扱量は4年連続で過去最高記録を更新し、過去最高となった昨年の5万8065TEUを超え、前年比約2%増の5万8972TEUを記録しました。
また、今3月議会において八太郎地区2号埠頭の新たに生じた土地の確認及び編入が承認されれば、平成29年度に県がコンテナヤードとして整備、拡張することになります。供用開始する平成30年度には、年間取扱可能量は6万9000TEU。港湾業務のさらなる効率化を望めることとなり、また、新航路開設を促す補助金事業についても大きく期待するところであります。
しかしながら、5万8972TEUのうち約7000TEUが、夏の台風の影響で北海道内の鉄道が寸断されたことによる釧路・八戸間の代替輸送として発生した貨物であり、単発の貨物と考えることが妥当であります。
この約7000TEUをないものとした港湾全体貨物量及びJR貨物を除く
コンテナ貨物量の主な減少要因は、ニッケル鉱石及びニッケル製品の減少で、インドネシアにおけるニッケル鉱石の輸出制限は解除され、今後持ち直す可能性は出たものの、フィリピンの大規模鉱山の閉鎖による減少や、
ニッケル鉱石自体の品質低下もあり、ニッケル鉱石においては、今後、不安定な状況が続くと思われます。
また、釜石市の震災土砂の処分完了による釜石港からの貨物の減少、平成30年度に予定されているフェリーの室蘭・宮古航路の開設など幾つかの不安要素もあり、八戸港の貨物量確保のために、ハード、ソフト両面でのさらなる充実が必要となります。
そこで、八戸港の将来像について、以下質問いたします。
(1)として、来年度、再来年度にも
次期港湾計画策定のための調査検討や審議会等が動き出す時期だと認識しておりますが、策定に向けたスケジュールと改訂の基本的考え方についてお示し願います。
(2)として、東日本大震災時に日本海側の港湾が太平洋側の
バックアップ機能を果たした教訓を踏まえ、緊急物資の受け入れや物流の停滞を防ぐため、平成25年に港湾法が改正されるなど、緊急確保航路の指定や
港湾広域防災区域の拡大、国の
応急公用負担権限、また、陸海空を駆使した広域連携による物流の確保の法整備が進んでいます。今後も八戸港の機能を最大限に発揮する体制と、非常時にも全国の物流をとめることがないように、港湾における広域連携が重要と考えますが、現状とその必要性の認識についてお示し願います。
次に、港湾施設の老朽化対策について伺います。
高度経済成長期に集中して整備された多くのインフラが一斉に老朽化を迎えていることは御周知のとおりですが、海水の中という厳しい自然環境のもとに置かれている港湾施設においても例外ではなく、他の社会資本と同様、今後急速に老朽化を迎えます。
我が国における供用後50年が経過する岸壁は、2014年に10%、2034年には60%になり、さらには現在、年間約2799億円と言われている港湾関連予算のうち、老朽化対策に2013年度には約1400億円が使われており、さらに20年後には全体の3分の2を超える年間2000億円が必要になると試算されているため、新規投資のための予算確保がさらに難しくなることがわかります。
現在、維持管理計画や予防保全計画において管理されており、財政事情により直ちに補修、修繕できない場合は、一時的に利用を制限したり、少しずつ修復しながら長寿命化を図っておりますが、利用制限がかかれば荷主や船会社に御迷惑をおかけすることになります。
そこで伺いますが、将来にわたりその機能を最大限に発揮するための予防保全的な維持管理の現状についてお示し願います。
次に、安全行政について伺います。
近年、先進国及び発展途上国において、温暖化による気候変動に合わせ適応していく必要性が認知され、気候変動に合わせ人類が生存していくための段階は、温暖化を防ぐための啓発や対策をする段階から、計画、戦略、法規制やプロジェクトの実践段階に入りました。
日本においては、平成27年に気候変動の影響への適応計画が閣議決定され、国としては自治体における適応行動を調整するための情報と法的枠組みの創設、脆弱性の高いコミュニティの保護、財政支援などの役割が期待されており、また、自治体においても地域に合わせた対策が求められると考えます。
地球温暖化により避けられない被害を軽減するための総合的な取り組みとして、災害対応や熱中症などの健康対策、農作物を初めとした食料の作付地域の変更、各分野において必要とされておりますが、今回は防災に特化して、当市の考え方についてお答えいただきます。
さて、最近は、全国各地で台風や集中豪雨による大規模な洪水被害や土砂災害が発生しており、平成26年8月には豪雨により住宅地を襲った広島市の土砂災害、平成27年9月には、鬼怒川において越水や堤防決壊等により浸水戸数は約1万棟、孤立救助者数は約4000人となる甚大な被害が発生しております。
そして、記憶に新しい昨年8月の台風第10号は、気象庁が統計開始以来初めて
東北地方太平洋側沿岸に上陸した台風で死者、行方不明者27名が発生するなど、東北・北海道の各地で甚大な被害をもたらしました。
これまで国県、各業界による御協力や地域の皆様の多大なる御尽力により、当市の治水対策は充実したものにはなってまいりましたが、昨年の台風の際にもメディア等にて、東北は台風に弱いと言われたとおり、我々は地震や津波といった災害に比べ、台風に対して疎く無防備であります。
今後、さらに温暖化とともに降水量の増加や風水害の強度の増大、発生頻度の増加が見込まれており、現状の対応策に加えて、その激化の程度に応じて対策、周知が必要となります。
そこで伺いますが、台風等の風水害のおそれがある場合における市の防災体制について、また、台風等の水害時において発令される避難情報と、求められる避難行動、日ごろの備えなどについて市民にどのように周知していくのか、お示し願います。
次に、飲酒運転根絶に向けた取り組みについて伺います。
飲酒運転による死亡事故の増加を懸念し、警察庁が約10年ぶりに詳細な分析を行ったところ、死亡事故発生率は、飲酒運転が原因の事故以外と比較し8倍以上になることがわかりました。
八戸警察署管内における飲酒運転の検挙件数は、平成5年から24年間連続、県内で一番多いワースト1位という状況が続いております。飲酒運転を根絶するためには、これまでの取り組みに加え、新たな視点からの取り組みが必要と考えますが、今後、市としてどのように取り組んでいくのか伺います。
また、全国的に飲酒運転根絶のための条例制定の動きが進んでおりますが、当市の考え方についてお示し願います。
最後に、市長の
トップセールスについて伺います。
当市は、古くから栄える水産業、水産加工業に加え、臨海部の基盤整備が進められ、素材型産業系の企業が相次いで進出するとともに、
八戸北インター工業団地などには高度技術産業に関する企業が集積するなど、多様な産業集積が図られ、北東北随一の産業都市に成長してまいりました。
そのような中、先日、
ベトナム国ハノイでの
トップセールスの様子が地元紙で紹介されているのを見て、今後の海外における販路拡大に明るい未来を期待しているところであります。
これらの成果は、港湾施設や交通インフラの充実という、企業が立地しやすい環境条件が整っていることもさることながら、これまで関係者が積極的に企業誘致、定期航路の開拓等に取り組んでこられた努力のたまものであろうと認識しております。
とりわけ小林市長におかれましては、市長就任後、みずからの足でPR活動に赴くなど精力的に
トップセールスに尽力され、大きな成果を上げてこられました。
そこで、
トップセールスのこれまでの実績と今後の意気込みについてお伺いいたします。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。
〔17番藤川優里君降壇〕(拍手)
○議長(吉田淳一 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)おはようございます。藤川議員にお答え申し上げます。
私からは、3、
トップセールスについてのこれまでの実績と今後の意気込みについてお答え申し上げます。
まず、企業誘致については、雇用の創出や地元企業への波及効果、市民所得の向上、さらには税収の確保などさまざまな効果が期待されるとともに、創造的復興や、ひと、しごとの好循環による地方創生を実現するための重要な施策の1つとして位置づけ、これまで先頭に立って積極的に取り組んでまいりました。
具体的には首都圏及び中部圏において
企業誘致セミナーを開催し、参加企業に対して私みずから当市の立地環境等の優位性をPRするとともに、当市への進出や事業拡大が期待できる企業に対しては、みずから足を運んで、トップや幹部に直接当市を売り込んできたところであります。
このような取り組みの結果、今年度は国内最大規模の
バイオマス発電所を開設する
エム・ピー・エム・王子エコエネルギー株式会社や、
カテーテル治療用器具において国内外で高いシェアを誇る
朝日インテック株式会社など4件を誘致認定しており、市長に就任してからの誘致件数は43件となっております。
また、海外経済事業につきましては、八戸港の新たな
国際コンテナ定期航路の開設及び利用促進による物流拠点化を目的とした
ポートセールスのほか、人口減少による国内市場の縮小を見据え、新規市場である海外への地場産品の販路拡大を図ることを目的とした
海外販路拡大事業を実施しております。
そのうち、
ポートセールスにつきましては、行政や海貨業者等で構成する八戸港
国際物流拠点化推進協議会が主催し、私がミッション団の団長となって、これまで11回実施しており、7カ国18都市において大使館や船会社等への訪問や、多くの関係者をお招きしたレセプション等を通じて八戸港の優位性を積極的にPRしてきております。
このような取り組みの結果、平成27年10月には新たに韓国航路が開設され、また、昨年7月からは中国の船会社がサービスを開始したところであり、八戸港の利便性が向上する中、昨年の
コンテナ取扱量は速報値で5万8972TEUに達し、4年連続で過去最高を記録したところであります。
また、
海外販路拡大事業につきましては、平成22年から食品展示会等に出展される市内事業者の海外進出を間接的に支援してまいりましたが、昨年10月には米国のロサンゼルス市において外務省と連携した、市主催によるプロモーションを実施するとともに、今年1月には、昨年のベトナム・ホーチミン市に続き、ハノイ市で物産展及び商談会を開催し、みずから先頭に立って安全安心で高品質な地場産品をPRしてまいりました。
その結果、徐々に八戸の産品が海外でも認知されてきており、米国の物産展では過去最高の売り上げを記録したほか、ベトナムの物産展では最終日に完売するほど好評を博し、その後も多くの地場産品が継続的に取引されているところであります。
このように、私は企業誘致に当たっては熱意と誠意による信頼関係の構築に重きを置き、海外経済事業においては率先してプロモーションに取り組む姿勢を大切にして
トップセールスに取り組んでまいりました。今後もこのような考えのもと、可能な限り積極的に
トップセールスを行い、当市産業の振興と発展に努めてまいります。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(吉田淳一 君)建設部長
◎建設部長(佐々木隆二 君)私からは、港湾行政についてお答え申し上げます。
まず、次期港湾計画についての御質問ですが、現在の八戸港の港湾計画は、平成30年代後半を目標年次とし、基本方針として、北東北を代表する工業港、物流港としての物流機能の強化、港への親しみや利用について地域住民等が享受できる魅力ある空間の確保、省資源化への対応の3つを定め、平成21年に改訂されております。
目標年次における
港湾取扱貨物量については、外貿1070万トン、内貿2230万トンの合計3300万トンと定めております。
港湾取扱貨物量の状況につきましては、平成19年は約2560万トンで、一時、東日本大震災の影響により落ち込みましたが、平成28年には約2800万トンと順調に増加しております。
御質問の次期港湾計画の改訂については、港湾管理者である県より、前回の改訂から約7年が経過し、貨物量の推移や情勢の変化などを注視している段階であり、具体的な時期、内容については未定と伺っております。
次に、港湾の広域連携についてお答え申し上げます。
八戸港では、港湾管理者である県が主体となって、想定される最大クラスの地震、津波による港湾施設の被害予測に基づき、港湾機能の回復に必要な期間を設定した上で、港湾関係者の役割や行動計画を取りまとめた八戸港BCPを平成25年3月に東北で最も早く策定しております。これまで、この計画に基づき訓練や見直しを行ってきたところでございます。
一方、東日本大震災のような大規模災害時には、八戸港が単独で対応することは困難であり、物流の確保には広域連携が必要となります。そのため、東北地方では東日本大震災の教訓を踏まえ、国が主体となって大規模災害時における広域的な連携を確保するため、東北広域港湾BCPを平成27年2月に策定しております。
東北広域港湾BCPでは、被災港湾への航路啓開に必要な資機材や荷役機械の広域調達、コンテナ貨物が輸送できない場合の代替輸送について、関係機関の役割や事前対策を定めております。また、計画の内容については継続的に改善を図っていくと伺っております。
そのほか、昨年の台風第10号の被害により北海道のJR貨物が不通となった際は、民間企業が連携し、代替輸送の1つとして八戸港が利用されました。市といたしましても安定した物流を確保するためには、被災時に広域連携によりバックアップできる体制が重要だと認識しており、関係機関と連携を図ってまいります。
次に、港湾施設の老朽化対策の現状と認識についてお答え申し上げます。
八戸港の港湾施設の維持管理について、港湾管理者である県は、港湾施設の老朽化が進む中、将来にわたりその機能を発揮できるよう予防保全型の維持管理を取り入れ、岸壁などの主要な港湾施設の維持管理計画を平成20年度から平成24年度に策定しております。
その他の港湾施設についても順次計画を策定することになっており、これらの計画に基づき老朽化対策を推進していくと伺っております。
今年度は、岸壁の防食や八太郎大橋の地覆補修、コンテナターミナル舗装補修及び第一工業港のしゅんせつなどを行っております。市といたしましても、急速に進む老朽化に対しハード、ソフト両面からの対策が必要と考えており、今後も引き続き県に要望してまいります。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)市民防災部長
◎市民防災部長(石田慎一郎 君)それでは、安全行政についての3点の御質問にお答え申し上げます。
まず、台風接近時の防災体制についてでございますが、当市では、台風等の風水害のおそれがある場合にとるべき防災体制を地域防災計画に定めており、風水害のレベルに応じた警戒態勢をしき、災害応急対策を実施することとしております。
具体的には、災害の切迫度に応じた警戒態勢の区分と職員の参集範囲、災害対策本部等の設置基準及び連絡系統を定めているほか、地域防災計画を補完する災害時初動体制マニュアルを策定し、災害警戒時及び災害発生時の行動要領を取りまとめ、災害初動期に迅速かつ適切に対応することとしております。
加えて、庁内各課では、災害時に能動的に対応するため、各課行動マニュアルを作成し、職員の参集体制や担当する災害応急対策の具体的な実施方法を定め、職員に周知しております。
昨年8月に台風第10号が当市に接近した際には、こうした対応方針に基づき、警戒態勢を全庁挙げて災害に対応する非常配備1に設定するとともに、災害警戒本部を立ち上げ、消防や警察と連携しながら必要な災害応急対策を実施したほか、馬淵川の洪水に関する防災行動計画である馬淵川タイムラインに基づき、国や気象台と情報を共有して、洪水に対する警戒を行ったところでございます。
さらには、台風の直撃等により記録的な大雨や河川水位の急激な上昇が見込まれ、大規模災害の発生するおそれが極めて高くなった場合に備え、国県等との間にホットラインを設け、気象情報や河川の状況について専門的かつ必要な助言が得られるようにしております。
このように、災害発生時に適切な対応がとれるよう、台風等の風水害に対応した防災体制を構築しておりますが、最近は地域を問わず雨の降り方が局地化、激甚化し、各地で大きな災害が発生していることから、当市におきましても国県等の関係機関との連携を深めるとともに、迅速かつ円滑に災害応急対策を実施できるよう、さらなる防災体制の充実、強化に努めてまいります。
次に、台風接近時における避難情報と日ごろの備えの周知についてお答え申し上げます。
避難勧告等の避難情報は、災害対策基本法に基づき、災害が発生または発生するおそれがある場合において、住民の生命を守るために、必要に応じて市町村長が発令することとされております。
台風第10号による水害では、避難情報の意味が十分に理解されておらず、避難対象者が適切な避難行動をとれなかった地域があったことから、内閣府は、平成29年1月に避難勧告等に関するガイドラインを改定し、情報を受け取る立場に立った情報提供のあり方や避難情報を発令するための体制構築などについて見直しを行っております。
具体的には、災害時に発令する避難情報の名称を直感的にわかりやすい表現に変更し、早期の避難が必要である高齢者や体の不自由な方などが避難行動を開始する段階であることを示すため、これまでの避難準備情報を避難準備・高齢者等避難開始としたほか、避難指示に緊急と付記することで、避難指示の持つ緊急性を強調し、避難勧告との違いを明確にしております。
当市といたしましては、当ガイドラインによる避難情報の名称変更を受け、各避難情報と求められる避難行動を改めて市民に理解していただくため、要配慮者利用施設等へポスターを配布したほか、広報はちのへや市ホームページを活用し周知に努めているところでございます。
このほか、
ハザードマップにより危険箇所や避難所等を事前に確認することや、避難情報の収集手段となるほっとスルメールへの登録、非常食、生活必需品等の非常持ち出し品の準備など、日ごろから災害に備えておくよう働きかけております。
災害時における市民の迅速かつ的確な避難に資するためには、ふだんから避難の参考となる情報を提供することが重要であり、今後とも見直しをした避難情報の内容を含め、地域で実施される防災訓練などの機会を通じて情報を発信していくとともに、より効果的な周知方法について検討してまいります。
次に、飲酒運転根絶についてお答え申し上げます。
当市における飲酒運転根絶に向けた取り組みといたしましては、これまで八戸警察署及び交通安全関係団体と連携し、季節ごとに実施される交通安全運動の最重点項目として、大規模な街頭広報や、市民が多く集まる中心街や郊外の大型商業施設等でのキャンペーン、民間パトロール団体と連携した飲食店巡回などの活動を継続して実施してきたところでございます。
しかしながら、八戸警察署管内の飲酒運転検挙件数は依然として高い水準にあることから、飲酒運転根絶を広く市民に浸透させるため、昨年9月に当市や八戸警察署及び交通安全関係団体が連携した飲酒運転根絶プロジェクトチームを発足させました。
このプロジェクトチームでは、市民への署名活動や飲酒運転根絶に対する広報活動、飲酒運転根絶条例の制定に対する嘆願などを活動方針とし、市内全域において署名活動を実施した結果、昨年11月には約8万人の署名簿とともに、飲酒運転根絶条例の制定を求める嘆願書が市に提出されたところでございます。
また、飲酒運転根絶に向けた総合的な施策を実施するため、当市や八戸警察署及び交通安全関係団体のほか、飲食店営業者、タクシー事業者及び運転代行事業者等の民間団体や連合町内会連絡協議会及び教育関係機関等も加わった飲酒運転根絶対策協議会が先日設立され、今後の具体的な取り組みについて話し合いが持たれております。
飲酒運転の根絶のためには、飲酒運転の危険性、反社会性、事故責任の重大性等についての啓発活動が重要であることから、これまでの取り組みに加え、新たに設立された飲酒運転根絶対策協議会と連携し、より実効性のある取り組みを実施していくとともに、市民の安全で安心な暮らしの実現のため、飲酒運転の根絶に向けた条例の制定につきましても検討してまいります。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)藤川議員
◆17番(藤川優里 君)各般にわたりまして御答弁をありがとうございました。順序は前後しますが、意見要望、再質問をさせていただきます。
まず、港湾行政についての広域連携について、必要性の認識はされているということでした。よりよいものとなりますよう、現在進められている他地域の連携について御紹介をさせてください。
まず北陸の話なのですが、国土交通省が平成28年3月に北陸圏広域地方計画というものを策定しました。その計画の目的には、今切迫している首都圏の直下型地震や南海トラフ地震が発生した場合に、早期復旧だけではなく、代替輸送の手段の確保として、同時災害が起きにくく、代替地となり得る北陸の港湾整備局の管内、そこでの物資輸送体制の構築が示されています。
また、北海道では函館、室蘭、苫小牧、十勝、釧路、根室の6港湾対象の北海道太平洋側港湾連携による災害時の相互応援に関する協定だとか、北海道太平洋側港湾BCP策定など連携に向けた動きが活発になっています。
そのほか、大規模災害時のコンテナ貨物代替輸送の需要予測、また代替輸送の訓練、北陸圏においては首都圏及び中京圏の商工会議所とタイアップをしまして、太平洋側内陸部の中小企業にその有効性の啓発をしているということです。その動きというのは、やはり調査、計画、訓練から、今対外的な売り込みにまで発展しております。八戸港においても参考に資することが多いと思うので、ぜひ考えていただけないでしょうか。
また、八戸港において北海道との連携というのは、災害時だけでなく、また産業振興といった意味でも、相互に有益な関係が築けると思います。北海道との内航がさらに強化されれば、災害時の代替輸送、取扱貨物量の増加はもちろん、海運の強化によって青函トンネルの貨物量が減ることによる新幹線のスピードアップに寄与する可能性が出てきます。これは八戸だけのメリットにはとどまりません。
さらには、2月8日の報道にありました、青函トンネルの先進導坑の変状が発生していると言いますが、それにかかわっては、今後、本道のほうの老朽化も懸念されておりますし、修理補修の期間だとか有事の際のことを考えて、リダンダンシーという意味でも、八戸港が担うことができる物流を停滞させないための取り組み、役割というものは大きいと思います。
さらに、岩手県においては、あそこは小規模な港湾が分散していて、すごくコストパフォーマンスが悪いと言われてきましたが、東日本大震災の後、それぞれの港湾の役割が明確になってきたと思います。まず、久慈港背後ではバイオマス発電が立地、宮古港では岩手県初のフェリー航路ができました。そして、釜石港背後では太陽光パネルの国内物流拠点、そして大船渡港では工業用地への立地意向が高い企業がふえているそうです。これらの新しい動きとも、ぜひ隣の県、同じ太平洋側ですので、よい意味での連携、協力体制はとれないでしょうか。
そして、平成30年度から宮古・室蘭のフェリー航路の開設の理由などは御周知のとおりだと思いますが、これを地域活性化とかビジネスチャンス拡大ということで大いに期待して、今、相互の修学旅行とか、三陸ジオパークと洞爺湖有珠山ジオパーク、両方をめぐるツアーとか、積極的にそういう有効な連携をしていくそうです。
八戸港においても、せっかくフェリーでつながった苫小牧港があるので、また何かそういった明るい連携というものも再度仕掛けていっていただきたいと。連携の目的や規模などさまざまあると思いますけれども、将来にわたって有効な連携というものをさらに研究していただきたいと思います。
次に、同じく港湾行政について、次期港湾計画について、ちょっと時期尚早な質問になってしまいましたが、要は今後数百年、八戸のあり方に大きくかかわってくる港湾の長期計画において、遠慮することなく要望、大きなビジョンを、大きな声で唱えて、叫んでいっていただきたいということです。
八戸港の発展は、昭和5年の内務省の指定港湾、そして昭和26年の重要港湾の指定、昭和39年の新産業都市指定、そしてリサイクルポートやFAZで、重点港湾になったのは民主党政権のときだと思うのですが、それぞれ時の政権の制度に支えられてきました。
しかし、そこには市民による関係部局への波状的な陳情などの御尽力だとか、神田市長を初めとする歴代の市長の大きな将来ビジョンがありました。多くの手法や名言も残されています。
海が拓けば陸が拓ける、八戸は海とともにある、そして八戸港は北日本のファーストポート、どの市長がおっしゃったかは市長もよくわかると思うのですけれども、今後100年以上にわたって市民が語り継いでいくだろう小林市長が描く八戸港の将来ビジョンについて、この場をおかりしてお聞かせいただきたいと思います。
次に飲酒運転についてですが、市民の皆さん、そして各種団体の積極的な取り組みは、大変頼もしいと思います。2月23日の地元紙の報道によると、署名の人数が11月、8万人だったのが、8万8000人までふえたそうです。市民の3人に1人以上の方が賛同してくれているということですし、多分まだ署名されていない方も反対しているのではなく、署名の機会にまだ恵まれていないだけだと思うのです。ですから市としてもしっかり連携して応援をしていっていただきたいと思います。
また、昨年、伊藤議員もこの条例制定について熱心に質問されていらっしゃいました。市としても積極的に取り組んでいただけるのかと思いますが、意義ある条例というものの作成に努めていただきたい。
例えば福岡県では、深刻な飲酒運転に鑑み、平成24年に議員提案により全国初の罰則つきの飲酒運転撲滅の条例をつくられました。さらに、条例の施行から3年後の平成27年、飲酒運転の事故件数は減少傾向にはなったのですが、撲滅までにはまだほど遠いということで、条例の実効性を検証して、さらに効果的なものにするため、飲酒運転検挙者全員へのアルコール依存症の受診等の義務づけだとか、アルコール検知の結果、基準未満だった方へも、そういう違反者にも取り組みを求める、そういったことを盛り込んだ改正案が議員提案されて可決されました。
また、北海道では、小樽市で起きた飲酒運転死亡事故を受けて、飲酒運転の制止や、警察への通報の努力義務を盛り込んだ議員提案による飲酒運転根絶条例を全会一致で可決、小樽市で事故があった7月13日を飲酒運転根絶の日と定めたそうです。
新聞報道によると、先月24日、八戸市、八戸警察署、交通安全関係団体のほか、飲食店、タクシー事業者、運転代行事業者、あと連合町内会の連絡協議会及び教育関連機関等も加わって飲酒運転根絶協議会を設立、今後の具体的な取り組みについて協議されたと伺っています。
この協議会に町内会の連絡協議会、そして教育関係の機関を入れたことは大変効果的だと思います。飲酒運転根絶を全市民に浸透させるには、何といっても個々の家庭から飲酒運転をなくす必要があります。そのためには連合町内会を通じた啓発や、市教委、保育連合会、そして小中高の学校長の会の協力は不可欠です。その性格だとか段階に応じた飲酒運転の根絶に関する教育の実施を、教育長、どうぞよろしくお願いします。
加えて、飲酒運転撲滅にはアルコール依存症の発見や治療のための取り組み、医療支援という視点も必要だという意見があります。お酒をやめたい、やめさせたいなどのアルコール依存症や飲酒運転に関する相談は、最寄りの保健所とか精神保健福祉センターに。そして、飲酒運転をやめるように言っても全く聞き入れない、お酒を飲んでも平気で運転しようとするという相談は、最寄りの警察署に相談しようという広報活動を行うなど、さまざまな機関との連携、そして、こんなときどこに行けば相談、解決できるのか、それを誰もが知っている状態をつくり上げていっていただきたいと思います。
また、飲酒運転の共犯になることのリスクというものをもう少し知っていただきたい。それも大切だなと思っています。道路交通法では飲酒運転の幇助者、提供者にも、運転手が事故を起こしたかどうかには関係なく懲役や罰金が科される。さらに民事不法行為では同乗者、提供者が運転者と連帯して損害賠償責任を負う。また、自動車運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律では、同乗者、提供者などが共犯として処罰されます。飲む側、提供する側、そして、その場に居合わせた場合と、この3本柱を軸に進めていただきたいと思います。
せっかく飲酒運転撲滅のために、たくさんの市民が今立ち上がってくれています。その市民の皆さんの力を追い風にして、八戸市として24年間ワースト1位というこの汚名を一緒に返上していきましょう。
そして、次に
トップセールスについてです。ここ11年間の世界情勢、日本の情勢を考慮しても、大変な成果を出されていると。何といっても、誘致後も引き続き、連絡体制だとかコミュニケーションをとることによって、継続的にとてもよい関係を築いていらっしゃるということは、市長や職員の皆さんの連携あってこそだと、皆さんに敬意を表します。
さて、全国的に
トップセールスというものが一般化してきました。一般的になって、小林市長にとってのライバルがふえてきました。そうなると物品の魅力だけではなく、首長御自身の魅力も大切になってきます。小林市長が得意とする企業誘致では、特に内容の堅実さだとか充実が求められますが、事観光や物販においては、何がいつ多くの人の目にとまるか、起爆剤になるかということがわからず、担当の職員の皆さんも話題づくりには大変御尽力をされていらっしゃると思います。
青森県にも、むつ市長とか青森市長といった若い首長が誕生して、そのフレッシュさに、まぶしさと限りない可能性や強い期待を感じております。
我が小林市長はどうなのかと、ここ数カ月見ておりましたが、先日、小林市長と青森の小野寺市長が懇談されている場面に遭遇したところ、小林市長が先輩風というか、兄貴風を吹かせて、これからの青森県についてとか市長としての心構えや振る舞い、あと気分転換の仕方などについて熱心に話していらっしゃって、小林市長の長年の御経験あってこその落ちつきと余裕というものに改めて頼もしさを感じた次第です。
さて、インターネットの検索エンジンで市長、
トップセールスという2つのキーワードで画像検索をすると、はっぴを着た首長が特産品を持って笑顔でほほ笑む写真ばかりが8割、9割ぐらい出てきます。そればかりがヒットします。
特に観光の
トップセールスのときには、ほとんどの首長がはっぴを着用して、その場に臨んでいるみたいで、赤いはっぴ、青いはっぴ、黄色いはっぴ、ピンクのはっぴ、そしてオレンジのはっぴとか、そのカラフルさにはもう枚挙にいとまがないと思うのです。
幾つかの自治体が集まったイベントでは、皆さんおそろいのはっぴを着なければいけないときがあると思います。ただ、私はそこで小林市長に埋もれてほしくないのです。小林市長だけ何か八戸っぽいものを頭にかぶるだとか、青年会議所の方が、ごませんべい、五、六十センチぐらいのゴマがついた南部せんべいを顔にかぶって、顔を出していて、あれはよいと思いました、実に八戸らしい。
むつ市長も先日、地元の奥内歌舞伎で顔を白塗りにしたりしていらっしゃいますし、もう今は何でもありなのかと。PRはっぴをわざわざお披露目会をしたりする自治体もあります。そして、小野寺市長だって、きっとこれから何か仕掛けてきます。ちょっと小林市長に負けてほしくないのです。
三村知事は、リンゴのはっぴだとかアロハシャツをよく着ていらっしゃるようですが、先日、佐々木副知事に伺ったところ、あの知事は実は20着ぐらいそういったPRの服を持っているそうなのです。リンゴはもちろん、長芋、ホタテとか、それでは飽き足らず、はっぴの裏地に、郷ひろみさんのように、上着をめくると十和田湖とか恐山がプリントされていて、上着をめくって説明などをするそうなのです。はっぴにもいろいろありますけれども、ぜひ八戸らしい漁師風だとか、一人だけ丈の長い綿入れにして、背中いっぱいにきらきらした糸で3D、立体的な感じで、生きがよいイカとかサバを大胆に刺しゅうしたものだとか、八戸らしいものをぜひ着ていただきたいと。市長たる者、そこまでやらなくてもいいし、小林市長の適性やキャラづくりというものもありますから、絶対何が何でもやってほしいとは言わないのですが、ぜひ小林市長なら、どんなコスチュームでもお似合いになると思いますから、八戸と言えばこれだというものを着ていただきたい、そんな小林眞を見せつけていただきたいと思います。
そして、時には田名部副市長、大平副市長にも着ていただきたい。
では、2点、八戸港とPRコスチュームについて、大きなビジョンを持って御答弁をお願いします。
○議長(吉田淳一 君)市長
◎市長(小林眞 君)藤川議員の再質問にお答え申し上げます。
港湾について、まず八戸港のビジョンということであります。先ほど壇上でも
ポートセールス、各国に伺っていろいろな港を見てきたお話をさせていただきましたけれども、この御質問があるということで改めて振り返ってみたのですが、世界のコンテナ取扱個数ランキングで上位にある港はほとんど見てきています。これは2015年のランキングで言いますと、上海、シンガポール、深セン港、香港、釜山、広州、大連、アメリカではタコマ、ロサンゼルス、ロングビーチなどを見てきています。今どうなっているかというと、昨日、夏坂議員からもAIの話が出ましたけれども、まさにもうAIというか、全てのコンテナが無人で、コンピュータ制御で運用されているというような状況です。
船につきましても、1万TEUを超える船が出てきています。もう世界では、八戸の年間取扱量の2倍を超えるコンテナを運ぶ船が出てきているという状況です。
日本はどうかというと、1980年に神戸が世界で第4位でした。2015年、何と57位であります。この状況を見ると、今政府は、国際戦略港湾は5つあります。東京、川崎、横浜、大阪、神戸です。ここに何とか集中させてハブ化しようという努力をしていますけれども、後背地の問題とかいうことを考えると、かなり難しいと考えています。
八戸港のビジョンの中で、まず夢から語らせていただきたいと思うのですけれども、北米に一番近い立地条件にあります。今、国際戦略港湾が5つ、それから国際拠点港湾が18あります。八戸はその下の、105ある重要港湾の1つなのですけれども、東北を見ると、仙台塩釜だけが国際拠点港、北海道は室蘭と苫小牧です。
こういう国際情勢を見ると、北米に一番近いこのむつ小川原港と八戸のところに大規模な、国際的にも太刀打ちできるような港湾を整備したらどうかということが夢であります。
八戸に持ってきて、あとは内航フィーダーで日本全国、あるいは東日本でもよいのですけれども、そういうことも考えられるのではないかと思います。私は日本が財政危機だということは全くでたらめだと思っていますし、プライマリーバランスというものもナンセンスだと思うのですけれども、ここで大きな集中投資をして、国際的にまた戦略を立て直していくと。これは夢です。
そして、今現在、ポートアイランド第3期の、あそこにコンテナヤードをつくるということが現港湾計画の中にもあります。
今、拡張されてくるわけでありますけれども、最終的には、やはりそちらに移っていくように、これからいろいろな形で集荷も進めていきたいと思いますし、実は国際拠点港で
コンテナ取扱量が八戸港より少ないところもありますので、何とかまずは国際拠点港を、そういった整備とともに目指していければと思っています。
八戸港の特徴は、馬淵川の流下土砂が多いということで、年間35万立米、これは馬淵川の周辺に砂防ダムが少なかったり、ダムがほとんどなかったりというようなことも影響はあるのですが、埋め立てる材料はたくさんあるということで、ぜひそういう方向で進めていければと思っております。
新たな土地を生み出していくと。中里市長のときの、前の港湾計画のときは、人工島が点線で入っていたのですけれども、今回はそれはなくなってきました。でも、先ほど来申し上げておりますように、八戸という場所は非常に可能性がある立地条件にあると思いますので、そういったことも訴えていきたいと思います。
もう1つ、台風第10号でJR北海道が機能しなくなったときに、釧路から八戸に緊急輸送という形をとりました。これが非常に効果的だったと思います。これを常態化できないかということも、これは今も既に訴えているところでありますけれども、鉄道輸送を減らして八戸港につなげていくことによって、北海道新幹線の速達性も高まる可能性がありますので、そういったことについてもこれから取り組んでいければと思っております。
それから、コスチュームについては、答えにくいのですけれども、私は人見知りでもありますし、なかなかパフォーマンスということには、ちょっと適性に欠けているところがあると思うのです。でも、まあ、いざとなったらやれないことはないかと思っておりまして、せっかくの御質問でもありますし、少し戦略を練って、これはというものがあれば、副市長と役割を分担しながら、これから取り組んでいければと思います。よろしくお願いします。
○議長(吉田淳一 君)藤川議員
◆17番(藤川優里 君)御答弁をありがとうございました。本当に御自分の言葉で大きなビジョン、そして、本当に心からの御答弁をいただいたと思います。もううれしくて興奮しています。
では、最後に港湾の将来像について、少し私から御要望というか、述べさせていただきたいと思います。
先ほど、土地をどんどんつくっていくという御発言もありました。港湾図を見ていると、今回、八太郎2号埠頭、コンテナヤードをふやしましたけれども、今後どの埠頭を広げていこうと、その分、港湾は狭くなっていくのではないかと。どんどん海側に土地を広げていくべきなのではないかと思います。もちろんポートアイランドの第3期も含めてです。
今ある、中央の第1、第2防波堤などの海側をどんどんしゅんせつ土砂で埋め立てていって、新たな人工島をつくっていく。そして、何度もこの議会でも、ポートアイランドの第2アクセスについて話題になっていますけれども、実際に、多分今言う第2アクセスをつくるとなって有力となっているのは、ポートアイランドから河原木2号埠頭へのところにつくるという話だと思うのです。そう伺っているのですけれども、そこだとちょっと距離が短過ぎて、橋にするにも、沈埋トンネルにしても、すごい急勾配になってしまうと、大きいトラックなどは無理なのではないかと技術者の方がおっしゃっているのです。ぜひそういった小さいところだけではなくて、人工島をつくって、ポートアイランドから新たな人工島へつないでいくとか、どんどん外側に向けて広げていっていただけないかと思います。
産業面でも、防災面でも、どっちの意味でのリダンダンシーという意味でも、第2アクセスは必要だと思うのですが、ぜひ大きい目線で、小林市長が今すごく大きな夢を語っていただいたので、それに向けて、どんどん外に向けて八戸港を広げていっていただきたいと、これを御要望申し上げます。
そして、経済の話も出されました。八戸港は今、工業港、産業港として機能が上がっています。つまり世界の動きに大きく左右される港だということです。
アジアの港湾の伸びは著しくて、1990年から大体15年間、日本と諸外国の貿易額、EUなどは1.5倍の伸びですけれども、韓国、中国に当たっては4.3倍ぐらい伸びていると。
それを考えると、やはり太平洋側にて、いかにユーラシアダイナミズムに乗っていくかと。ここはすごく市長の
トップセールスにかかってくると思うのです。ぜひコスチュームも考えながら、引き続き頑張っていただきたいと思います。
そして港湾の将来構想なんて、もう50年、100年先を見てよいわけですから、そうなれば北極海航路の開設に向けても記述があってよいのではないかと思います。
そして夏坂議員、また先ほど市長からも御発言があったICT、あとAIの活用ですけれども、今も徐々に港湾においてさまざまな場面でICTの規模ですけれども、利活用されるようになっています。
例えば八戸港で、馬淵川からの流出土砂によるしゅんせつ、今まで技術者の方、職人さんの勘で掘っていたものを、今はナローマルチビームを使用して効果的に掘ることができています。
それを初めとして、大規模な地震、津波の際に、特に夜間においては、何かあったとき、どの岸壁が使えるか、どの航路が使えるか、どこの防波堤が無事なのかといったことを、人を出して確かめに行くということは困難で、大変危険なのです。そのときにマルチソナーとドローンなどを使って、そのデータを合成することによって、被災状況とか利用の可否を把握することができます。
国や県に積極的にそういった機材、設備の八戸港への早期配備、整備、そして導入や民間業者への補助制度の整備などをお願いしたいと思います。
そして、市長も御存じだと思うのですけれども、東北の港湾で整備を進めている、人工干潟を用いた環境共生型の護岸があります。東北でうまく進んでいるものは青森港のみということです。その他港湾で、この制度、施策が進んでいないのは、適切な用地選びだとか、誰が管理していくのか、その辺に課題があるからだと思います。
八戸港においても、もう何年も前から検討されているみたいなのですけれども、どうなのでしょうか。もし現在まで有力とされていた用地での実施が難しければ、積極的に他の用地を探すことも一つだと思います。
例えば下水道事務所の放水部分の用地、緑地、あそこは、きっとプランクトンも多目ですし、生き物も育つでしょう。さらに当市の下水道がいかによい仕事をしているかというPRもできる。ぜひ御検討をお願いします。
そして、これからは港湾行政においても地方創生、そういう大きな目的を持ってつくり上げていっていただきたいと思います。現状維持は停滞と同じ。投資的な分野ではどんどんチャレンジングなことをしていってください。応援しています。
以上です。
○議長(吉田淳一 君)以上で17番藤川優里議員の質問を終わります。
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3番 日當正男君質問
○議長(吉田淳一 君)3番日當正男議員の質問を許します。日當議員
〔3番日當正男君登壇〕(拍手)
◆3番(日當正男 君)平成29年3月定例会において、自由民主・市民クラブの一員として、市長並びに関係理事者の皆様に御質問させていただきます。
まず初めに、発言事項1、
連携中枢都市圏の形成についてでございます。
八戸市の誕生の歩みをひもとけば、大正15年に市制施行の具体的な提案がありながらも、各町村の足並みがそろわず、ようやく昭和4年5月1日に八戸町、小中野町、湊町、鮫村の3町1村が合併してできた人口4万6513人の我がまち八戸市、昭和15年1月1日には館村の一部を、昭和17年4月1日には下長苗代村を、昭和29年12月1日には是川村を、昭和30年4月1日には市川村、館村、上長苗代村を、昭和30年10月2日には豊崎村を、昭和33年9月10日には大館村を、そして平成17年3月には南郷村をそれぞれ合併して歩んでまいりました。
多くの市制施行における問題を抱えながらも、八戸市誕生に尽力した初代八戸市長、近藤喜衛氏や、2代目八戸市長、神田重雄氏、そして議会議員の皆様など、八戸市を誕生、育て、発展させてきた先人の皆様の情熱と御苦労、そして先見性に感謝を申し上げる次第であります。
あれから88年、今では小林市長のもと立派に発展を遂げ、北東北の主要都市として、人口23万4850人、世帯数は10万6985世帯となり、昨年6月15日の地方自治法の中核市の指定に関する改正法令の公布により、市制施行88周年を迎えた本年1月1日に中核市になり、1月4日には中核市移行式を盛大に開催し、全国で48番目として中核市の仲間入りをしたところであります。現在の八戸市の飛躍を先人たちはどう評価しているかと思うと感慨深いものがあります。
さて、中核市移行式とあわせ、我がまち八戸市は連携中枢都市宣言を行いました。現在、そして今後の人口減少、少子高齢化において、いかに地域の市町村が中核市を中心に連携を図り、コンパクト化、ネットワーク化により地域特性を生かし、活力ある社会経済を維持するか、その拠点の形成づくりであります。
御承知のように、
連携中枢都市圏には、圏域全体の経済成長の牽引、高次都市機能の集積、強化、圏域全体の生活関連機能サービスの向上が求められています。現在、全国の
連携中枢都市圏形成地においてそれぞれ特色ある事業を行っていると認識しております。
そこで、市長にお尋ねいたします。八戸市、三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村、おいらせ町で連携協定締結予定の八戸圏域
連携中枢都市圏の都市圏ビジョン事業はどのようなもので、私たち市民が安心して快適な暮らしを営んでいくために、どう生活が変わってくるのか、具体的にそのお考えを、難しい言葉でなく、市民にわかりやすい簡単な言葉でお教え願います。
また、八戸市の風土、生活、産業経済、歴史、文化、人口移動、交通等から考えた場合、八戸市のこれまでの発展は、岩手県北、特に旧種市町、大野村、現在は洋野町、そして久慈市、軽米町とのつながり、関係も大きなものがあったと思います。
八戸市誕生の背景には、当時の鮫村の鮫港の重要港指定の条件があったとお聞きしております。八戸市が誕生した昭和4年の12月には、鮫港は商港の指定を受け、八戸港と改称しており、昭和35年には、日本の水産業のために重要な役割を果たす漁港として、当時全国13番目の特定第3種漁港として指定を受け、輝かしい八戸市の漁業、そして水産業の発展を見たところであります。
その発展を支えていた漁師たちは、旧種市町出身の人の力も大きく、そして水産加工場に勤める人たちも、旧種市町から来る人も多いと、八戸が水揚げ日本一であった当時、漁師だった父親よりよく聞かされました。
また、JR八戸線も昭和5年3月には、当時の尻内・久慈間が全面開通し、岩手県の久慈市方面との結びつきも強くなりました。この八戸線を利用し、旧種市町方面の角の浜、宿戸、八木、侍浜、中野などの御婦人たちが、浜でとれた昆布でつくった昆布巻きや、ホヤ、アワビ、ウニ、ナマコ、魚、海草などの海産物を、いわゆるガンガンに入れて、JR湊駅の前で売ったものでした。
さらには、通勤、通学者もふえ、八戸の工場、会社、そして高校へと多くの旧種市町や久慈市方面からの人が来ました。軽米町方面からの人たちも八戸に来て、同じく八戸市の発展に貢献したと思うところであります。
今は中核市、そして八戸圏域
連携中枢都市圏形成の定着が肝要と考えますが、今後、八戸市と結びつきの強い岩手県北の洋野町、久慈市、軽米町等との連携、そして八戸圏域
連携中枢都市圏形成、拡充について、将来を見据えて、真の北東北の中核市、リーダーになるべく、小林市長の御所見をお伺いしたいと思います。
それでは、発言事項2、都市計画の線引き見直しについて御質問させていただきます。
都市計画における線引きの見直しは、御承知のようにおおむね10年後の将来人口予測のもと、都市計画区域において、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を都市計画に定めること並びに無秩序な市街化を防止するため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分するものであり、都市計画の根幹であります。
この線引きの見直しには、おおむね5年ごとに実施する定期見直しと、将来構想に基づく計画的な市街地整備事業の実施が確実になった段階で行う市街化区域編入などの随時行われる随時見直しがありますが、八戸市におけるそれぞれの線引き見直しの経緯について、1点目にお聞きいたします。
そして2点目として、八戸市がどういう考えで住宅地、商業地、工業地を見直してきたのかを踏まえて、その線引き見直し時における住宅地、商業地、工業地の割合をお聞きいたします。
さらに、八戸市の都市計画地図を市街化区域と市街化調整区域で見ると、極端にJRの駅に近いところであっても、市街化調整区域になっているところも見受けられます。地区で分けているのでしょうか。同じエリアにかかわらず、一方が市街化区域、もう一方は市街化調整区域となっております。
さらに、その市街化区域は、奥まで市街化区域になっているところもあります。JRの駅の近さで言うと、その市街化調整区域のほうが近くて便利です。また、地域の幹線道路である国道45号沿いにありながら、さらにその周辺が市街化区域でありながらも、そこだけ大きく市街化調整区域のところが見受けられます。
都市計画法は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的としております。
そこで3点目として、その目的を踏まえて、さきに述べたようなケースの地域にあっては、どのようなお考えで市街化区域と市街化調整区域に分けられているのか。また、交通の便利なJR駅に近いところについては住宅地として、そして幹線道路沿いで、かつ周辺が市街化区域になっているところについては、住宅地や産業の創出など、その地域が生かされるような考え方から、今後の新たな市街化区域編入の見通しについて御所見をお伺いしたいと思います。
それでは発言事項3、蕪島プロムナード公園整備について御質問させていただきます。
今年度の第28回八戸市景観賞に鮫町の蕪島前広場と蕪島海浜公園が、まちなみ空間部門で選出されました。この八戸市景観賞は、八戸市にある、すばらしい景観や魅力的な景観づくりのための活動を市民に発見していただくことで、景観に関心を持ってもらい、潤いと安らぎに満ちた魅力あるまちづくりを目指し、1987年から行われております。
鮫町にはもう1つ、第26回八戸市景観賞に鮫角灯台が選出されております。これで三陸復興国立公園内の蕪島周辺には2つの八戸市景観賞があることになりました。大変喜ばしいことであり、ますます八戸観光の魅力発信ができると確信しております。
この三陸復興国立公園、鮫町蕪島周辺の魅力をさらに増し、もっと魅力を発信していくために、現在、蕪島周辺整備が進められております。市のこの観光行政への取り組みに対し感謝するところであります。
さて、JR八戸線下の旧キャンプ場のあったところは、現在、蕪島プロムナード公園として、半分の工事が進められております。もう半分は現在、設計作業が進められているとお聞きいたします。
そこで質問させていただきます。1点目は、現在の蕪島プロムナード公園整備の進捗状況と施設概要について、どのような風景、また市民や観光客が楽しんでいただける施設となるのか、お聞きしたいと思います。
2点目として、蕪島プロムナード公園完成後の蕪島周辺における、当初このプロムナード公園内に計画してあった懸案であります、物産販売施設の見通しについて御所見をお伺いしたいと思います。
次に発言事項4、小規模工事契約希望者登録制度の活用について御質問させていただきます。
八戸市の公共工事を考えたとき、現在施工中の屋内スケートリンク、給食センター等、今後予定されている仮称・総合保健センター、新美術館、長根体育館建てかえなど大型の建物工事、そして八戸新産業団地の造成工事、八戸新大橋かけかえ工事の土木工事など、その完了後を思うと、全体の市の財政状況等により、それらが終わった後の公共工事の予算は削減されていくのではと懸念、不安を禁じえません。
民間においてもしかり、建物を建てるときに提出する建築確認申請の件数は、八戸市においてピーク時の3分の1から4分の1に減少している現状であります。
地元の大手業者は、それでも仕事はあり、まだ受注件数、金額はあると思いますが、地元の小零細業者は大変であります。仕事がなく、5年ごとの建設業許可を更新しないでいる業者や、廃業の業者も多くなってきました。
建築関係における建築大工、電気、設備などで組織している、ある団体の会員数のデータを見たとき、会員数はピーク時の約1000人から、現在は約350人くらいであるとお聞きしております。特に一人親方や家族経営で行っている業者が減ってきております。つまり、建築に従事する職人が減ってきているということです。
公共工事は建設業の許可を取得し、経営審査事項を受け、指名願を出した業者が、工事高によって競争入札、発注している状況だと思いますが、他自治体では、自治体が発注する工事、特に修繕、改善等について、一定金額以下のものは指名願も出さず、また入札によらず、あらかじめ登録していた小規模業者に随意契約により発注する制度、自治体により多少名称は違いますが、いわゆる小規模工事契約希望者登録制度を導入、活用し、小零細業者、そして住民に喜ばれております。
この制度は各自治体によって多少異なりますが、対象となる予定工事金額を30万円未満とか50万円未満としており、中には150万円未満という自治体もあります。対象となる工事は、内容が軽易かつ履行確保が容易な機能回復修繕であります。いわゆる小さな工事です。
対象業種としては、建築関係ですと、壁、防水、屋根、ガラス、鋼製建具、木製建具、内装、畳、鍵、塗装、大工、左官等があり、設備関係では、空調、電気、通信、ガス、給排水、衛生等があり、1人の職人でもできる工事もあります。この工事を受注希望する業者は自治体に登録し、登録有効期間は2年間とか3年間が主です。
この制度の特徴を申せば、地元の小零細業者が対象であるということ、自治体に指名願を出さなくてもよいということ、中には建設業許可がなくてもできる工事もあります。手続が容易であるということ、そして地域要件として、原則として修繕を要する施設が所在する地域の業者に発注することができるという点が挙げられます。
また、小零細業者の仕事の減少、仕事おこしへの対応、市内に事務所を置く小規模事業者の受注機会の確保、そしてお金の回り面に関しても有効であり、特に地元の小零細業者への仕事の発注は、地域にお金を回し、地元経済の循環を活発にします。
また、小さな公共工事ですが、公共工事を施工したということで、その業者の励みにもなり、その仕事ぶりを見て民間の受注もふえたという業者もいるとお聞きしております。
現在、ほとんどの都道府県、約420の自治体で実施しているとお聞きいたします。近いところでは青森市、盛岡市でも導入、活用している現状であります。
そこで質問させていただきます。1点目、現在の八戸市における工事の発注はどうなっているのか、状況についてお聞かせ願います。
2点目として、小規模工事への考え方について。
3点目として、いわゆる小規模工事契約希望者登録制度を導入、活用するお考えはないか、御所見をお伺いしたいと思います。
最後に発言事項5といたしまして、八戸市民相談について御質問させていただきます。
市民相談は、市民がさまざまな問題で困って暗くなっているときの明かりであります。市民にとって市民相談に来るということは、大変な勇気と決断が要ると思います。現在の八戸市における市民相談は、くらし交通安全課にて行っております。
相談名として、一般相談、人権相談、行政相談、税務相談、法律相談、行政書士相談、司法書士相談、公証人相談、住宅増改築相談、土地家屋調査士相談、不動産相談、交通事故相談の12件で実施しており、各相談は、おおむね月1回のペースで行っております。中には月2回、3回開催もあります。また、各相談日がかち合わないよう、限られた時間帯において面談にて、各ブースに区切り行っている状況であります。担当職員及び各相談員の皆様の日ごろの努力に感謝申し上げます。
市民の皆様よりお聞きしますと、何か困ったとき、相談先として真っ先に頭に浮かぶのは無料の市民相談だそうです。そして市民相談でわからないときは、無料の法テラスだそうです。そして、どうしても無料相談で解決しないときは、有料の専門職へ行くそうでございます。
現在の各相談への振り分けは窓口にて行われていると思いますが、私自身、相談員としてやったことがある経験上、必ずしも1つの相談箇所だけで終わらない複雑なものがありました。相談に来る相談者自身、よくその辺が理解できておらず、お話をお聞きしているうちに、この専門職種の相談も必要だ、あの専門職種の相談も必要だと、いろいろなものが絡む相談、複雑な問題がたくさんございました。相談者の中には、当日の相談だけでは満足がいかなかった方も少なくないと思います。
そこでお聞きいたします。1点目として、現在の市民相談の利用状況をお尋ねいたします。
2点目として、おおむね月1度開催の個別の各相談所開設のほかに、年に数回、各相談を一堂に会し、合同の集中した八戸市民相談会が開催できないか、お尋ねいたします。一堂に会し、合同で行いますと、その場においてワンストップで相談に対応できるメリットがあり、何度も足を運ばなくても済むと思いますし、相談者の満足度も上がると思います。いかがでしょうか。
以上をもちまして私の壇上からの質問とさせていただきます。何とぞよき御答弁のほどをお願い申し上げます。
〔3番日當正男君降壇〕(拍手)
○議長(吉田淳一 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)日當議員にお答え申し上げます。
まず、
連携中枢都市圏の形成に係る具体的な取り組みについての御質問ですが、八戸圏域では、平成21年度に定住自立圏を形成して以来、人・産業が元気で活力・魅力を創造・発信する北東北の中核都市圏を目指し、ドクターカーの運行や路線バス上限運賃化の取り組み、広域的体験学習支援事業など、生活機能の強化等に係る24施策31事業を展開してまいりました。
定住自立圏にかわり、新たに形成を予定している
連携中枢都市圏では、これまでの取り組みに加え、圏域全体の経済成長の牽引、高次の都市機能の集積・強化に係る取り組みも求められており、八戸圏域
連携中枢都市圏ビジョンの原案には23施策64事業を掲載しております。
新年度より実施を予定している具体的取り組みのうち、圏域住民の皆様にとりまして身近な事例を一部御紹介申し上げますと、まず、テレマーケティング関連産業立地促進費補助金は、八戸市に立地するテレマーケティング関連企業がこれまで八戸市民を雇用した際に交付していた雇用奨励金の対象を、圏域住民へ拡充することにより、雇用機会の増加を図る取り組みであります。
地域事業所人材獲得等支援事業は、圏域内の事業所に対し、首都圏で開催される就職、転職フェア等に出展するための経費を一部助成するなどし、圏域内の事業所が抱える人材不足の解消や、UIJターン就職の促進、若年者の人材流出の抑制を図る取り組みであります。
圏域内の地場産品の販路拡大事業は、圏域内の事業所と連携し、国内外のイベントに参加するなど、地酒や黒ニンニク、水産加工品等のPRや商談を行い、圏域産品の販路拡大により地域経済の活性化を図る取り組みであります。
広域観光戦略推進事業は、新たに策定する広域観光戦略に基づき、行政や観光関係者等が一体となって各種事業を推進することにより、圏域の観光入り込み客数の増加を図る取り組みであります。
この他、災害時要援護者等への救急医療情報キットの配布、高校生地域づくり実践プロジェクト、氷都八戸パワーアッププロジェクト等の事業に取り組んでまいります。
以上、一例を申し上げましたが、住民が安心して快適な暮らしを営んでいけるように、7町村の皆様と協力し、連携してまいりたいと考えております。
次に、岩手県北との連携についてお答え申し上げます。
全国における
連携中枢都市圏の形成状況につきましては、現在17の圏域が形成されており、このうち県境を越えた圏域は、広島県と岡山県をまたいだ備後圏域と、広島県と山口県をまたいだ広島広域都市圏の2つの圏域があります。
八戸市と岩手県北との連携につきましては、青森、岩手、秋田の3県にまたがる24市町村で構成する北奥羽開発促進協議会や、八戸、久慈、二戸の3市と青森、岩手両県で構成する北緯40°ナニャトヤラ連邦会議などにおいて、地域振興を目的とした取り組みを行っております。
具体的な連携施策ですが、北奥羽開発促進協議会では、青森県、岩手県、秋田県に対して、北奥羽地域の開発、発展に向けた重点事業のほか、北東北3県ドクターヘリの広域連携運航に係る運用の柔軟化について要望を行っております。
また、北緯40°ナニャトヤラ連邦会議では、防災協力体制、産業経済活性化、広域観光、森林資源活用、スポーツ・文化交流の5つの専門部会を設置しており、各種連携事業に取り組んでいるところであります。
県境を越えた岩手県北との
連携中枢都市圏の形成につきましては、まずは、これまでの定住自立圏で培ってきた八戸圏域7町村との枠組みで進めることとし、さらなる拡充につきましては、北奥羽開発促進協議会や、北緯40°ナニャトヤラ連邦会議での連携の取り組みを踏まえながら、今後研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(吉田淳一 君)日當議員
◆3番(日當正男 君)定住自立圏形成における事業から、これからの
連携中枢都市圏形成の事業について御答弁いただき、ありがとうございました。
私が言うまでもなく、
連携中枢都市圏形成は、人口減少対策として、地方に人口のダムをつくろうと国が出した広域連携制度です。簡単に申せば、この八戸圏域という人口のダムから、人が首都圏など中央に流れていかないように、国の交付金をいただきながら、中核市である八戸市を中心として、圏域全体の各市町村、産業界、教育機関と、そして住民で力を合わせて発展させましょう。そのやり方として、圏域全体の経済成長の牽引一つとった場合、このことは圏域全体の経済がもっと成長していくように、新しい成長産業の会社をこの地域内に来るように努め、働く場をもっとつくることや、地元中小企業の社員獲得のお手伝いをします。また、地元の物産品が国内外にももっと売れるよう、販売先確保に努めます。
さらに、この地域、圏域のすばらしい観光資源を生かし、経済的効果が大きいであろう、観光客がたくさん来るようなことをし、引っ張っていきます。そうすることにおいて魅力的な勤め先もふえ、地元にも優秀な人材もふえ、地元のものが売れ、収益が上がり、観光客もふえ、地元にお金が落ち、その辺の地域内の人々の暮らしもよくなり、圏域内の経済が潤い、地元から余り人が首都圏などに出ていかないのではないか。まさに圏域内の住民が将来へ夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心してできるのですよと、市民目線で解釈いたします。
連携中枢都市圏形成の事業を進めていくには、進める行政はしかり、そこに住んでいる住民が理解、そして実感すれば、よりうまく進むのではないかと思うところであります。その理解と実感を増すためにも、今後、高次の都市機能の集積強化、生活関連機能サービスの向上を含めて、難しい言葉ではなく、市民にわかりやすく、簡単な言葉で、あらゆるところで発信していただきますようお願いとさせていただきます。
2点目でございますが、岩手県北地域との連携事業の推進の御答弁をいただき、ありがとうございます。報道によりますと、久慈市の市長は、八戸市が中核市に移行したことについて、歴史的につながりの深く、久慈の生活圏である八戸の力が大きくなることを歓迎したい。さらなる広域連携の強化に期待を寄せている、連携を強めていこうと思っているとお話ししております。
地域スポーツの競技においても、北岩手、南青森にちなんだ、たくさんの大会もあります。ソフトテニス競技においても、北岩手南青森ソフトテニス大会という名称の大会もあります。八戸を含んだ南青森、北岩手の北奥羽総合体育大会もあるところであります。やはりこの地域は、いろいろな意味でのつながりがあると痛感させられます。
三陸沿岸道路の開通も間近です。特に洋野町種市の人は、この一部開通の道路を使用し、朝5時半から、新井田の市営コートで行う朝練習に毎日来ている人もいます。20分もあれば、早いときは15分もあれば着くと言って、心地よい汗をかいています。
そこで再質問させていただきます。北岩手の久慈、二戸地区との連携は、御答弁のとおり、現状の体制での連携の充実が肝要と思いますが、洋野町に関しましては、県という行政区域が違うという現状でありますが、全国で17の
連携中枢都市圏の中で、2つの
連携中枢都市圏が歴史的、風土的つながりの強さから、県をまたいで形成している状況を思うと、洋野町と八戸市のつながりは特に強いのではと思う次第であります。その辺を踏まえて、洋野町に関し特に御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○議長(吉田淳一 君)市長
◎市長(小林眞 君)日當議員の再質問にお答え申し上げます。
連携中枢都市圏の構成に当たって、洋野町と、より優先した取り組みもあるのではないかという御指摘だと思います。まさに御指摘のとおり、経済的にも、さまざまな面で強いつながりがあります。指標でいきますと、通勤であるとか、通学の数字は、八戸との関係が非常に強いということが示されております。
県境を越えた中での連携ということを考えますと、ただいまも日當議員がおっしゃったように、三陸沿岸道路については本当に早い段階で久慈ともつながっていくと。国土交通省の発表では、東京オリンピックまでには全線の少なくとも9割が開通するというような状況であります。これは非常に大きな効果を生むと思っております。
ただ、壇上でも申し上げましたように、これまで定住自立圏で培ってきた関係もありますし、それを踏まえた上での協議も、これまで7町村とやらせていただきました。まずはこの枠組みの中で
連携中枢都市圏を形成した上で、相手もあることでありますので、その後、いろいろな可能性について研究をし、その上での検討につなげていければと思っております。
○議長(吉田淳一 君)日當議員
◆3番(日當正男 君)ありがとうございました。今後とも八戸のさらなる可能性を信じ、八戸市が北東北の真のリーダーとなるよう、よろしくお願いいたします。
これで発言事項1の質問を終わります。
○議長(吉田淳一 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。都市整備部長
◎都市整備部長(澤田美智明 君)私からは、都市計画の線引き見直しについての3点の御質問に答え申し上げます。
初めに、線引き見直しの経緯についてお答え申し上げます。
都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区域区分する、いわゆる線引き制度は、無秩序な市街地の拡大を防止し、効率的な公共投資及び計画的な市街地の形成を図るための都市計画における基本的な制度であります。この制度は、昭和44年に施行された新都市計画法により設けられたもので、当市におきましては昭和46年に初めて線引きを実施し、4435ヘクタールを市街化区域として都市計画決定をしております。
その後、おおむね5年ごとの都市計画基礎調査の結果を踏まえ、社会情勢の変化や土地利用の動向等に対応するため、定期見直しを昭和52年、昭和59年、平成3年、平成9年、平成16年に行っております。
また、上位計画や事業の進捗などに応じて計画的な整備が明らかになった段階で行う随時編入は、平成7年、平成11年、平成22年に行っており、現在は5836ヘクタールが市街化区域となっております。
次に、見直し時における住宅地、商業地、工業地の割合についてお答え申し上げます。
まず、昭和46年の当初の割合は、住宅地63%、商業地8%、工業地29%となっております。その後、昭和52年の第1回定期見直しでは、人口増加に伴う土地区画整理事業の施行や住宅団地の整備により湊高台地区、是川団地などを住宅地、商業地として、また、工業団地整備等により桔梗野工業団地などを工業地として市街化区域に編入しております。
続く昭和59年の第2回定期見直しでは、土地区画整理事業の施行により新都市地区、類家南地区を住宅地、商業地として市街化区域に編入しております。
平成3年の第3回定期見直しでは、土地区画整理事業の施行により新井田地区を住宅地、商業地に、また、公有水面の埋め立て完了により河原木地区を工業地として市街化区域に編入しております。
平成9年の第4回定期見直しでは、土地区画整理事業の施行により八戸駅西地区を住宅地、商業地として、民間開発などにより松ケ丘ニュータウンを住宅地として、また、公有水面の埋め立て完了により河原木地区、八太郎地区を工業地として市街化区域に編入しております。
平成16年の第5回定期見直しでは、物流拠点の整備計画により長苗代地区を工業地として市街化区域に編入しております。
随時編入につきましては、平成7年の工業団地整備計画により八戸グリーンハイテクランド地区を工業地として、平成11年の土地区画整理事業の施行により田向地区を住宅地として、また平成22年の公有水面の埋め立て完了により、ポートアイランド地区を工業地として、それぞれ市街化区域に編入しております。
これまでの見直しにより、現在の割合は、住宅地64%、商業地6%、工業地30%となっており、当初の都市計画決定時の割合と大きな変化はございません。
次に、今後の新たな市街化区域編入の見通しについてお答え申し上げます。
当市の市街化区域は、先ほどお答え申し上げましたとおり、昭和46年に都市計画決定され、人口増加に伴う区画整理事業や住宅団地の整備など良質な住宅地の確保を目的として、また埋め立てを含む工業地の整備など産業振興に対応した受け皿として順次拡大してまいりました。
しかし、近年では、全国的な少子高齢化や人口減少に伴い、住宅地など市街化区域内全体における空き家や空き地の増加が社会問題となっており、当市におきましても市街地の低密度化が課題となってきております。
このような課題に対応するため、平成16年3月に策定した土地利用の包括的な計画である都市計画マスタープランの見直しを現在進めております。あわせて立地適正化計画を新たに策定中であり、市街化区域内において運行頻度の高いバス路線を公共交通の幹線軸と位置づけ、その周辺に医療、福祉、商業などの生活サービスや居住を誘導し、既成市街地における高密度化や空き地の有効利用など、既存ストックの活用を促すことで、持続可能なコンパクトなまちづくりを推進していく方針でございます。
このようなことから、現時点では、JR駅に近い地域や幹線道路沿い、かつ周辺が市街化区域となっている地域であっても、住宅地としての新たな編入は難しいと考えております。
なお、今後、人口の増加など社会情勢の変化や、開発や産業の集積などにより、著しく土地利用の状況に変化が見られる地域につきましては、区域編入の妥当性について総合的に判断してまいります。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)日當議員
◆3番(日當正男 君)御答弁いただき、ありがとうございます。平成16年3月に策定した八戸市都市計画マスタープランを拝見させていただきました。当時関係なさった方々もおいでと思います。ベースとしては大変よくでき上がっていて、すばらしいと思います。
マスタープランは全体構想、地域別構想、推進方策の大きく3つで構成されています。特に私が感心したのは地域別構想です。その中で八戸市を市川地域、下長地域、八戸駅周辺地域、中央地域、根城・田面木・新都市地域、湊・白銀・鮫地域、豊崎地域、館・是川地域、大館地域、南浜地域の八戸市を10地域に分け、地域特性に応じた将来像を示しております。
さらに、それらの地域を土地利用の方針として、住宅系ゾーン、集落ゾーン、商業系ゾーン、産業系ゾーン、農地ゾーン、緑地ゾーンとして、また、地域における住民の暮らしを支える生活拠点として、生活サービス拠点、生活うるおい拠点とし、道路の位置づけとしては、高規格道路、幹線道路、補助幹線道路、生活道路のあらゆる面から細かく、その地域のまちづくりのあり方、方針を方向づけております。まさに各地域や、その地域の住民に配慮した、バランスのとれたまちづくりの進め方だと思います。
このマスタープランの冒頭には、21世紀に入り、少子高齢化と社会情勢の大きな変化の中で、全ての人が住みやすく自己実現できる生活環境にあることが重要であり、八戸らしい自立的、個性的なまちづくりが求められている。そして先人たちが残してくれた多くの財産を生かしながら、住んでよかった、住んでみたい、子どもたちが誇れる、魅力あるまち八戸の実現に向けて全力を尽くしていくとあります。
2月15日には、国土交通省が都市計画法の抜本的見直し作業に入った状況下において、現在、八戸市は時代に合うようマスタープランの見直しをしているとお聞きします。この趣旨を生かし、すばらしい、市民が喜び、線引き見直しを含めた都市計画、立地適正化計画、そして未来の子どもたちに誇れるような八戸のまちづくりをお願い、期待し、発言事項2の質問を終わります。
○議長(吉田淳一 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。
まちづくり文化スポーツ観光部長
◎
まちづくり文化スポーツ観光部長(風張知子 君)私からは、蕪島プロムナード公園整備についてお答え申し上げます。
まず、進捗状況と施設概要についてですが、蕪島プロムナード公園につきましては、平成23年度に策定した蕪島地区整備方針において、現在の蕪島多目的広場を、蕪島からマリエントまでの連続性を重視した魅力的な公園として整備することしております。また、物産販売施設もプロムナード公園の蕪島側に整備する予定としておりましたが、多目的広場以外の場所での整備を検討することにしたため、蕪島側のエリアについて整備内容の再検討をしたところでございます。
このため、マリエント側のエリアについては平成28年10月に工事を発注し、年度内に完成する予定となっておりますが、蕪島側のエリアにつきましては、地元関係団体等の意見を伺いながら年度内に実施設計を行い、平成29年度中に整備を完了する予定としております。
施設の内容でございますが、公園内には芝生に覆われた緩やかな起伏の築山を配置し、その間に園路やウッドデッキを整備するほか、パーゴラやベンチ、水飲み場の設置や既存トイレの改修など、蕪島からマリエントに通じる魅力的な公園として整備するもので、蕪島を起終点とする、みちのく潮風トレイルを歩くハイカーを初め、蕪島の風景を眺めながら休憩したり食事を楽しむ市民の方々にも気持ちよく利用していただけるものと期待しております。
また、地元の皆様と相談しながら、小規模ではありますが、朝市や軽トラ市などのイベントにも活用できるような整備も検討しているところであり、三陸復興国立公園の北の玄関口としてふさわしい空間を創出するために、蕪島地区のさらなる魅力向上に努めてまいります。
次に、物産販売施設についてお答え申し上げます。
御案内のとおり、これまで当市では、平成23年度に策定しました蕪島地区整備方針に基づき、蕪島休憩所の建設や築山、蕪島前広場や歩道のインターロッキング舗装、ウッドデッキの整備などを行ってまいりました。プロムナード公園についても、先ほど答弁いたしましたとおり、平成29年度までには整備を完了する予定となっております。
議員御質問の物産販売施設の整備につきましては、蕪島地区の観光地としての連続性や一体性を損なうことのないようにするとともに、利便性や安全性も確保した建設場所のほか、民間主体の可能性も含めた整備方法や運営方法等についても引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)日當議員
◆3番(日當正男 君)いろいろな御努力に感謝申し上げます。期待しております。今後とも観光都市八戸の発展のため、よろしくお願いいたします。
これで発言事項3の質問を終わります。
○議長(吉田淳一 君)以上で発言事項3は終わります。
次に、発言事項4について答弁願います。財政部長
◎財政部長(原田悦雄 君)それでは、4の小規模工事契約希望者登録制度についてお答え申し上げます。
まず、当市における工事の発注状況についてでございますが、市では、八戸市請負工事等の競争入札等参加者の資格に関する規則に基づき、工事の競争入札に参加できる者または随意契約の相手方とすることができる者の資格について必要な事項を定め、事業者から申請を受け付け、資格の審査、認定を行っております。
資格要件の主な内容ですが、税の滞納がないこと、暴力団との関係がないこと、社会保険加入に関する法令に違反がないことなど一般的事項のほか、建設業法に基づく建設業の許可や経営事項審査を受けていることなどであります。
この審査の結果、認定した参加資格を有する者、いわゆる登録業者の中から、競争入札や随意契約により工事の受注者を決定しているものでございます。
次に、小規模工事への考え方についてお答え申し上げます。
市が発注する工事につきましては、安全かつ確実な施工と適正な品質を確保することが重要であると考えていることから、発注予定額の規模にかかわらず、登録業者による競争入札等により発注しているものでございます。
また、工事に限らず、施設等の機能維持や原状回復等のために行う修繕につきましても、同様に登録業者を対象としております。特に修繕の発注に際しましては、より緊急性を要することが多いことから、迅速な対応が重要であると認識しております。
次に、小規模工事契約希望者登録制度導入活用についてお答え申し上げます。
議員御提案の小規模工事契約希望者登録制度は、小規模事業者の受注機会の拡大を図ることを目的として、既存の入札参加資格申請とは別に、軽易な申請による資格登録を可能とし、その登録者に対し、各施設の少額な修繕等の工事を簡易な手法で発注できる制度であると理解しております。
この制度につきましては、当市においても平成15年度から平成22年度にかけて他市における導入事例調査等を行っておりますが、当時は導入している都市もそれほど多くなく、制度の効果等について十分な検証が得られなかったこと、また、小規模工事の受注者への影響等を考慮し導入に至らなかったものでございます。
現在の他市の導入状況を見ますと、東北地方の人口20万人以上の8都市のうちでは、仙台市を除く7市が修繕等の工事内容や金額の上限を定めて実施しており、全国的にもこの制度を導入する自治体が多くなっている状況にございます。
導入している自治体における制度の効果としては、小規模事業者の受注機会の拡大や、職人の持つ技術の継承、さらには担い手不足の解消にもつながっているといったことが挙げられております。このようなことから、今後、当市における小規模工事の受注者の状況を調査した上で、他都市の制度を参考としながら、当市に適した制度の導入について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)日當議員
◆3番(日當正男 君)前向きな御答弁をありがとうございます。
例えば学校のドアが壊れたとします。そのときは新しいドアをつくり、壊れたドアを外し、新しいドアを取りつけるだけで済みます。建具屋さん1人でできます。これに関しこんなことをお聞きしました。
学校のドアを取りかえるには、本来は市立の学校なので、市の予算で直してもらうべきだが、それだと市に指名願を出している業者でなければならない。手続などがあるので直すのに日数がかかる。冬の時期などは寒くて教師も生徒も大変だ。早く直してもらいたい。そのため、PTAの予算を使って、地元の建具屋さんにすぐ来て直してもらおうと思うが、PTAの予算を使うとPTAのお金がなくなり、本来のPTA活動ができないということです。やはりこのような状況があるのであれば、この小規模工事契約希望者登録制度は、そのためにもあるのではと考えさせられるところであります。
他都市の制度を参考としながら、八戸市に適した制度の導入について検討してまいりたいという御答弁ですので、この制度が実現できますことを期待し、これで発言事項4の質問を終わります。
○議長(吉田淳一 君)以上で発言事項4は終わります。
次に、発言事項5について答弁願います。市民防災部長
◎市民防災部長(石田慎一郎 君)それでは、市民相談についての2点の御質問にお答え申し上げます。
まず、現在の市民相談の利用状況についてでございますが、当市の市民相談業務につきましては、多様化、複雑化する市民からの相談窓口を一元化し、相互の連携と効率化を図るため、昨年4月の機構改革で消費生活相談業務と統合し、市民の抱えるさまざまな問題解決に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。
相談業務の内容といたしましては、日常生活の中での困り事や心配事などの一般相談に加え、弁護士による法律相談、相続登記などに関する司法書士相談、税理士による税務相談、宅地建物取引士による不動産相談など、専門家による11分野の専門相談が主なものとなっております。
議員御質問の市民相談の利用状況につきましては、過去3年間で見ますと、平成25年度3089件、平成26年度2619件、平成27年度2472件であり、また平成27年度の主な内訳は、相続に関する相談が441件、近隣住民とのトラブルなどに関する相談が217件、不動産に関する相談が158件、税金に関する相談が123件となっております。
最近の相談の傾向といたしましては、全体の件数が減少している中で、専門性を必要とする税務相談や不動産相談が増加している状況にございます。
次に、合同の市民相談会の開催についてお答え申し上げます。
現在、当市では、先ほどお答え申し上げましたとおり、一般相談に加え専門家による11分野の専門相談を個別に行っており、多種多様な問題を抱える方に対しましては関係機関や専門家を紹介するなど、連携を図りながら問題解決に向けた対応に努めているところでございます。
一方、総務省青森行政評価事務所では、毎年10月に行政相談週間の一環として、行政相談委員のほか弁護士、税理士及び国県の行政機関などによる合同の暮らしの困りごと何でも相談所を開設し、当市では2年に1度開催することとしております。今年度は、昨年10月14日にショッピングセンターラピア内に相談所を開設したところ、全体の相談件数が55件あり、このうち複数の専門家などに相談したケースは12件あったと伺っております。
多種多様な問題を抱え、専門家を必要とする方にとって、ワンストップで相談できる合同相談会の開催は効果的な取り組みであることから、当市といたしましては、今後、国の合同相談会や他都市の状況も参考にしながら、合同相談会の開催について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)日當議員
◆3番(日當正男 君)前向きな御答弁をいただき、ありがとうございました。
一例を挙げれば、この土地に家を建てたいのだがという御相談が来た場合、恐らく住宅相談が担当すると思いますが、初めは建物を建てるための建築確認申請のことや、設計事務所、建築業者をどうやって見つけたらよいか、坪単価はどれくらいかなど、工事に関する相談かもしれません。
しかし、相談者よりよくお話をお聞きしていくと、その土地が畑や田んぼの場合は農地転用許可、また届け出の相談になります。また、農業振興区域だった場合、農用地の除外申請の相談になります。その場合は行政書士の相談範囲です。また、その土地が市街化調整区域だとすれば、当然、開発許可申請の相談にもなります。これも行政書士相談の範疇です。
さらに、この土地の境界がはっきりしないとなると、土地家屋調査士相談の範囲です。土地を分けて一部に建てたいとすると、測量や分筆登記の話になり、これも土地家屋調査士相談です。残りの土地を売りたいとなると宅地建物取引士による不動産相談です。また、この土地はまだ亡くなった親の名義になっているとすれば、相続や名義変更の相談になり、行政書士や司法書士相談の範疇になります。
そう話していくと、相続税は幾らですかなどと聞かれます。そうなると税務相談で、税理士さんの出番です。そして、家の完成後は、建物の表示登記は土地家屋調査士、所有権の保存登記、また、資金を金融機関等から借りたとしたら抵当権の設定登記です。これは司法書士です。
このように、1つの家を建てたいという相談でも、たくさんの相談が伴い、各専門職種の相談員のお力が必要になります。このことは、相談員が一堂に会して合同の相談会を開催すれば解決できることであります。
今後、中核市となった八戸市の市民相談がより充実し、市民の大きな明かりとなり、市民のためになる満足のいくサービスを提供できるよう、早期に実現できることを期待し、よろしくお願いいたします。
最後に、ことしは市役所、教育委員会では49人の方々が3月をもって定年退職なさるとお聞きいたしました。本当にお疲れさまでした。八戸市の行政マンとして頑張ってきた姿は、いつまでもたくさんの方々の脳裏に焼きつけられております。いろいろお世話になりました。そしてありがとうございました。同じ年代を歩んできた者として、今までの経験を生かし、これからも豊かな楽しい人生を送っていただきますようエールを送ります。
これをもちまして平成29年3月定例会での私の質問を終わります。
○議長(吉田淳一 君)以上で3番日當正男議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時52分 休憩
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午後1時00分 再開
○副議長(古舘傳之助 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
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4番 中村益則君質問
○副議長(古舘傳之助 君)4番中村益則議員の質問を許します。中村議員
〔4番中村益則君登壇〕(拍手)
◆4番(中村益則 君)平成29年3月定例会におきまして、公明党の一員として、市長並びに関係理事者に質問いたします。
平成29年度の国家予算は、経済財政運営と改革の基本方針2016を踏まえ、引き続き経済財政再生に取り組むとし、一億総活躍社会の実現に向けた施策として、保育士、介護士の処遇改善と人材の確保、給付型奨学金の拡充、また同一労働同一賃金など働き方改革に向けた内容になっております。
そのような状況の中、今春に卒業予定で就職を希望する高校生の内定率は、昨年12月末時点で前年同期より0.9ポイント高い90.9%だったことが文部科学省より発表がありました。7年連続の改善で、2年続けて90%台の高水準となっております。同省は景気回復を背景に高校生の就職が多い製造、建設、小売などの業界の採用活動が活発化しているのが要因としています。
このように、現在、政府が取り組んできた成果が着実に結果としてあらわれてきているところでありますが、地方に暮らす私たちには景気回復の実感が持てないのが現状ではないでしょうか。
このような背景から、昨年、公明党は地方や中小、小規模事業者、個人の家計まで希望を行き渡らせる国の実現のために、成長と分配の好循環をつくる政策を訴えてまいりました。大事なことは、現場感覚や生活実感であり、地域住民の生活に寄り添う政治でなければなりません。未来に希望が持てる地域づくりのために全力で取り組んでまいりたい、そのように決意をするところでございます。
それでは、通告に従いまして質問をいたします。
初めに、復興事業について伺います。
間もなく東日本大震災より6年目を迎えます。東日本大震災の復興応援大使としての活動を始めた男子体操金メダリストの内村航平選手が先日、福島を訪れ大きな反響を呼んでおり、復興支援をしていただいた全ての人も、それぞれの立場で再度復興支援に関心を持ってほしいと訴えております。今後も多くの人が震災を忘れないことが、被災者、被災地にとってどれだけの勇気になるか、また、私も復興応援大使だという思いで、風化と戦っていかなければならないと思います。
八戸市も震災後、小林市長のリーダーシップのもと、復旧期、再生期、創造期と10年計画を策定し、現在は平成28年より平成32年までの創造期を迎えたところであります。4つの基本方針に基づく復興施策を掲げ、災害の復興とともに現状課題にも取り組み、より強い、より元気な、より美しい八戸の構築のために計画を推進しているところであります。
特に防災力の強化では、学校、公民館などの耐震化や建てかえ、津波避難所の建設、防災訓練の強化など災害に強いまちづくりが進んでおります。復興の理念と目標の中には、原状復旧にとどまらない、現代課題にも対応した新たなまちづくりの推進とあります。
そこで、これまでの取り組み状況と、新年度はさらに創造的復興と掲げ実施されていきますが、改めて創造的復興事業の重点施策について伺います。
次に、教育行政について伺います。
まず1点目に、新聞を活用した授業の現状について伺います。
昨年12月の一般質問において夏坂議員、岡田議員より、学校に新聞の配備を求める要望があり、このたび新年度より導入の運びとなりました。文部科学省の中央教育審議会は昨年12月、小中高校の次期学習指導要領の答申をまとめ、読解力向上を喫緊の課題と位置づけ、国際学力調査で日本の読解力の順位が低下したことを受けた措置として発表いたしました。
答申では、国語を中心に文章の構造や内容を理解させる指導を求め、読書活動も受け身の読書体験になっており、情報を読み解きながら自分の考えを形成できていないとの指摘もあると言及し、自分の考えの形成に生かす力の育成に取り組むとしております。
このような現状から、どのようにして読解力を身につけていくのかが課題になっている中で、NIEの導入や新聞を活用した取り組みが注目をされております。東京都のある小学校では、8年前に始めた新聞タイムの時間を活用し、新聞記事を切り抜き、事件、事故や政治、スポーツなどの記事を台紙に張り、要約と感想を書き込むなどして意見交換、現在では全校児童が週1回、授業前の15分を活用して実施しています。
例えば高齢者の事故が多いという記事を読んで、自分の祖父母も運転しているので、気をつけてと声をかけたなど、社会問題にも触れる機会になっているとの報告もあります。
読解力低下の背景には、現在、SNSの普及に伴い、短い文章しか読まない、また長文を読まない、また興味のある見出ししか見ないなどが挙げられています。
また、ある作家は、低下の一因に本離れがあるのではないかとの指摘もあり、読む人と読まない人の二極化が進んでいる印象があるとも述べられております。
八戸市は本のまちとして、子どもから大人まで本に親しむための事業を展開しており、読む人、書く人の育成に取り組んでいるところであります。このような背景から、現在、新聞を活用した授業についてどのような取り組みが行われているのか、現状を伺います。
次に、外部講師を活用した講座について伺います。
このところ、学校向けの出前講座を行っている学校がふえてきております。専門分野の講師がそれぞれ年代に合った内容で、わかりやすいとの評価を受けており、各地でさまざまな取り組みが行われております。
以前より教員の長時間労働が問題となり、解消するためのさまざまな取り組みが進められております。その1つとして、新聞報道にありました部活動の外部指導者を正式に職員として明記し、大会等への引率も可能になるなどの対策が進み、教員の働き方改革につながるとも期待をされております。
この部活動に関しても、外部からの指導者を受け入れることで技術力の向上や教職員の負担を減らすことにもつながっていると注目されております。
また、専門性の高い外部講師の活用は、児童生徒が社会の仕組みや将来の職業選択のきっかけになることも期待されます。
そこで、今回取り上げました出前講座の中で、アとして、社会保障制度については、例えば社会保険労務士による年金制度や社会保険制度の仕組みなどを学ぶことで、社会の成り立ちを理解することや、働く目的、社会人としての責任など、社会に出て働くときの基礎知識につながるのではないでしょうか。
また、例えば福祉教育としては、現在人材不足である介護職の重要性を理解してもらうことで、将来、介護人材を目指すきっかけになることも期待できます。
このような教育は、社会科などの通常授業の中でも行われているとは思いますが、実際に携わっている人だからこそ伝わることも多いのではないでしょうか。今後さまざまな分野での取り組みが考えられますが、現状で行われている社会教育について伺います。
次に、がん教育について伺います。
文部科学省は平成24年から平成28年までの5年間を対象に、がん対策推進基本計画を策定しました。学校における健康教育の中でも、国民の2人に1人がかかるがんは重要な課題であります。国民の健康に関する基礎的な教養として必要不可欠であるとし、学校教育全体の中で、がん教育を推進してきた経緯があります。
平成26年7月にがん教育の在り方に関する検討会を設置し、平成27年度、平成28年度においてモデル校を中心に今後の課題を検討し、これらの成果を踏まえたがん教育について、平成29年度以降、全国に展開することを目指しております。
このように、がん教育は全国的に重要課題として取り組みが行われ、2018年度に予定される学習指導要領の改訂を視野に検討されているところであります。また、先ほど提案申し上げました外部人材の活用法についても検討が進められております。このような状況の中で、これまでの健康教育についての実施状況を伺います。
次に、高齢福祉行政について伺います。
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律――平成19年7月――に基づく定額所得者、被災者、高齢者、障がい者、また子どもを育成する家庭、その他住宅の確保に配慮を要する者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を目的として、居住支援協議会が県や市に設立されております。
特に今後さらにふえる高齢者のひとり暮らしで、自宅の老朽化や利便性向上のために住みかえを希望しても、保証人が立てられないため賃借人に断られるケースがあり、このような問題に対応する組織と認識をしております。
協議会では居住支援団体、不動産関係団体4者、地方公共団体10市の福祉関連部門で構成され、必要に応じてその他団体にも協力を求めるとしております。
国の政策も、空き家の適正管理や中古住宅の有効活用、住宅確保要配慮者のための住宅セーフティーネットの構築に努めているところであります。しかしながら、このような制度や組織ができているにもかかわらず、個別支援に結びついていないとの報告もあります。この居住支援協議会の現状を伺います。
次に、新大橋整備事業について伺います。
いよいよ新大橋のかけかえ事業の予定が発表になりました。創造的復興事業の1つとして大きな役割を果たすため大事な事業であります。架設されてから60年が経過し、老朽化が著しい状況の中で、一日でも早い完成を願うものであります。
そのような中で、新聞報道でもありました、完成まで10年の工期がかかるとの内容に、なぜそんなに時間を要するのかという市民の声が寄せられております。工事内容と今後の対策についても説明がありましたが、市民に対してもう少しわかりやすい説明が必要ではないでしょうか。
新大橋は1日1万5000台もの通行量があり、生活道路として大変重要な橋であります。また、災害時の避難経路としての役割もあります。また、工事期間中の交通対策にも万全を期して臨まなくてはなりません。
いずれにしても、多くの市民の皆様へ協力していただかなくてはならない事業の1つです。工事の概要、長期間になる理由など、新聞等を通じて広く理解していただくとともに、工期短縮への努力に努めるべきと考えます。あわせて、建設地に近い近隣住民の皆様には、10年間大変な負担をかけるわけですので、さらなる丁寧な説明をしていく必要があると思います。今後の取り組みを伺います。
最後に災害対策、大規模火災の対応について伺います。
昨年12月に発生した新潟県糸魚川市での大規模火災は、午前10時28分に通報があり、鎮火の発表は翌日午後4時半、焼失家屋は144棟と大規模な被害につながりました。
この大規模火災を受け、国の検討委員会が発足し、今後の対応についての検討が始まっております。各委員からは、主に人口をもとに決められている消防車の台数などの基準を、強風の吹きやすい地域ごとのリスクを踏まえて見直すべきなどの意見が出されております。
また、消火活動についても、最初の消防車6台が10時35分に到着し、強風で飛び火の発生もあり、近隣の消防署への応援要請をしたのが12時ごろになっております。
消火活動で最も重要なのは初動の消火です。都市部の強力な消防力を持つ消防本部では、1つの火災に初動で10台以上の消防車が駆けつけることは珍しくないようですが、糸魚川市の消防本部にはそれだけの消防力がなかったと、地元の消防長が証言をされております。
また、大規模火災に発展した原因の1つに、住宅密集地ということもあり、延焼につながったとされています。この災害を教訓に、検討会では、ことし5月ごろまでに新たな消火活動のあり方などをまとめ、国に報告することになっています。
八戸も過去に大規模火災が発生し、大きな被害を経験している地域です。今回の災害を通して、1点目として、大規模火災の対応についてどのような体制になっているのか、また2点目として、市内に点在する密集地や、ふえる傾向にある危険空き家の対応について伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。
〔4番中村益則君降壇〕(拍手)
○副議長(古舘傳之助 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)中村議員にお答え申し上げます。
まず、これまでの取り組みについての御質問ですが、当市では、東日本大震災からの復旧復興を図るため、平成23年9月に八戸市復興計画を策定し、これまで官民一体となって各種復興事業を推進してまいりました。
この計画では、最初の2年間を復旧期、続く3年間を再生期、その後の5年間を創造期とし、復興に向けて段階的に取り組むこととしております。
まず復旧期においては、被災者への災害見舞金の給付や一時入居住宅の提供などにより被災者の生活再建を支援するとともに、被災事業者に対しては、中小企業等グループ施設等復旧整備補助金による復旧支援や、青森県経営安定化サポート資金による金融支援などに取り組みました。また、八戸環境クリーンセンターを初め魚市場、漁港施設など、被災した公共施設の早期復旧に全力で取り組み、平成24年度までに全ての施設について復旧が完了しました。
次に、再生期においては、被災者生活再建支援金の支給や災害公営住宅の提供、被災者住宅再建支援制度などの各種助成制度により被災者に対する住宅再建支援を行ってまいりました。
また、事業者に対しましては、あおもり生業づくり復興特区を活用した規制、税制上の特例措置の適用や八戸市復興推進計画に基づく復興事業への利子補給など、企業活動の再興や事業拡張を支援してまいりました。
観光分野においては、三陸復興国立公園に指定された種差海岸へのインフォメーションセンターや休憩所の整備を進め、当該施設を拠点とした観光復興に取り組んでまいりました。
都市基盤の再建では、八戸港の復旧のほか、多賀地区や湊地区において津波避難路の整備を進めてまいりました。
防災力の強化では、小中野公民館防災拠点施設の整備や多賀地区津波避難タワーの建設、防災倉庫の新設などのほか、津波避難計画の改訂、防災教育の推進、災害協定の締結など、ハード、ソフト両面から防災対策を推進してまいりました。
次に、創造期の初年度となる今年度の主な取り組みでございますが、館及び江陽公民館が昨年9月に開館しました。また、津波避難ビル機能と地域の交流拠点としての機能をあわせ持つ多賀多目的運動場が昨年10月にオープンしたほか、多賀地区や河原木地区において津波避難路の整備を継続して行っております。
以上申し上げましたとおり、市民や事業者の皆様、国県等の関係機関、さらには全国各地からの御支援、御協力をいただきながら、この6年間で着実に復旧復興の歩みを進めることができたものと考えております。
次に、創造的復興施策についてお答え申し上げます。
創造期2年目となる来年度も、引き続き北東北における当市の拠点性の向上と災害に強いまちづくりの実現に向けて取り組んでまいります。
まず、被災者の生活再建については、庁内関係課による被災者支援の情報交換会を引き続き開催し、被災者世帯への訪問による健康支援など、きめ細かに対応してまいります。
地域経済の再興については、あおもり生業づくり復興特区のさらなる活用を図りながら企業誘致や地場産品の販路拡大などに取り組み、企業の活性化と雇用の確保、創出に努めてまいります。
また、種差海岸PR促進事業や三陸ジオパーク推進事業、外国人観光客受入推進事業などに取り組み、当市の新たな魅力創出や観光客の受け入れ態勢の充実を図ってまいります。
都市基盤の再建については、木造住宅の耐震診断等を支援するとともに、南浜、高岩、是川の各児童館の耐震化や新大橋整備事業に取り組み、災害に強い都市基盤の整備を推進してまいります。
防災力の強化については、仮称・沼館地区津波避難ビルの供用開始を予定しているほか、指定避難所となる是川公民館の改築、仮称・みなと体験学習施設の整備、福祉避難所となる総合福祉会館等の設備改修、指定避難所標識の更新など、防災体制のさらなる強化を図ってまいります。
さらに、自主防災組織の活動やリーダーの育成を支援するほか、市民を対象とした復興状況市民見学会を引き続き開催し、災害に強い地域づくりや震災の風化防止に取り組んでまいります。
当市の目指す創造的復興は、単なる原状復旧にとどまらず、人口の減少、少子高齢化、環境問題等の諸課題にも対応した新たなまちづくりを推進するものであります。復旧期、再生期において育んできた復興の芽を創造期において開花させるため、市民に勇気と希望、活力を与える都市の元気づくりに向けた取り組みを今後も推進し、復興計画の目指す、より強い、より元気な、より美しい八戸を実現してまいります。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○副議長(古舘傳之助 君)中村議員
◆4番(中村益則 君)復興事業について小林市長より各分野にわたり詳細な答弁をいただきました。ありがとうございました。原状復旧にとどまることのない、未来に向けた新たな復興が創造的復興であり、また、安全安心な暮らしの確保に向けた取り組みと強く実感いたしました。今後も力強く推進していただきたいと思います。
4つの基本方針の中で、特に被災者の生活再建については、今後も生活支援の充実、住宅確保、雇用対策などの支援の継続を願うものであります。また、視点は違いますが、以前質問した原発などの問題で県外から避難をされている方々への配慮も大切ではないでしょうか。現在でも放射能についての誤解から、いじめにつながる事案が起きております。当市でも30名の児童生徒とその御家族が暮らしているわけでありますので、同じ視点で支え合っていかなければならないと思う次第でございます。
都市基盤の再建としては、先日、港湾建設の視察を通して防波堤の整備状況や海岸、河川の整備状況を船から拝見し、再建に向けた工事の状況がわかりました。港湾整備については一般的になかなか見る機会がないため、貴重な体験をさせていただいたところでございます。また、改めて八戸は海から拓けたまちなのだということを再認識いたしました。最後に総仕上げとなる平成32年の創造期完成を目指して、再度、小林市長の体制のもとで力強く復興計画を進めていただくことを要望して、この項目は終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。教育長
◎教育長(伊藤博章 君)私からは、教育行政についてお答え申し上げます。
最初に、新聞を活用した授業の現状についてお答え申し上げます。
現在、各学校においてはさまざまな場面において新聞が活用されております。国語科においては、小学4年生に新聞を作ろう、中学3年生に新聞の社説を比較して読もうという単元が設定されております。それ以外にも、書くことの単元を中心に、事実と意見の書き分け方や5W1Hを意識した簡潔な文体など、新聞記事を参考とした学習活動が複数見られます。
そのほかの授業での活用としては、理科の授業でノーベル賞の記事を、家庭科の授業で子育てにかかわる記事を、道徳の授業で思いやりにかかわる記事など、各教員が工夫して新聞を授業に取り入れていることが挙げられます。
また、授業以外の活用としては、日直活動の一環として、その日のニュースとそれについての感想を発表する活動を設定したり、学年単位でコラムを書き写す学習活動を行ったりしている例も多く見受けられます。
しかしながら、これらの取り組みが学校間で十分に共有されているとは言えないことから、今後は各学校の活用事例を共有できる場を工夫していきたいと考えております。
さらに、議員御案内のとおり来年度から実施する予定の、ひらく・楽しむ新聞力活用事業につきましては、先進校におけるさまざまな事例を事前に紹介し、各学校の実情に合わせた活用を促していきたいと考えております。
市教育委員会といたしましては、当事業を通じて活字に親しむ環境を整え、より幅広い視野で物事を捉える児童生徒を育むことができるよう、実施に向けた体制整備に努めてまいります。
次に、出前授業についての1点目、外部講師を招いた社会保障教育についてお答え申し上げます。
社会保障制度につきましては、当事者意識を高めながら、その意義を理解させる社会保障教育は、地方自治や国の政治の仕組みを主体的に学ばせる上で大切であると認識しております。そのような中、小学校6学年では、地方公共団体や国の政治の働きの学習において、社会保障、災害復旧の取り組み、地域の開発の中から1つを選択して学習することとなっております。当市のほとんどの小学校が、東日本大震災の教訓から、当事者意識を持たせ、市教育委員会発行の防災ノートも活用しながら、災害復旧の取り組みについて学習しております。
中学校3学年では、公民的分野、社会保障の充実の学習において、社会保障制度の基本的な内容を理解させ、その一層の充実を図っていく必要があることを理解させるという学習指導要領の趣旨を踏まえ、教科書を活用しながら2時間程度学習しております。
しかしながら、総合的な学習の時間等を活用して福祉施設への訪問や体験活動を行う学校がある中、社会保障制度に関して外部講師を招いた学習が行われていない現状も見受けられます。
市教育委員会といたしましては、社会保険労務士や身近な介護士などの外部講師の活用も視野に入れながら、児童生徒が公共的な事柄にみずから参画していく資質や能力の育成が図られるよう指導助言してまいります。
次に、出前授業についての2点目、外部講師を招いたがん教育についてお答え申し上げます。
文部科学省では、国民の2人に1人がかかると言われているがんについての正しい理解と、がん患者に対する正しい認識及び命の大切さに対する理解を深めるがん教育を積極的に進めるよう提言しております。
市教育委員会といたしましても、がん教育の推進は、学校における健康教育の中でも重要な課題であると認識しております。
現在、小学校においては、体育の保健領域において、喫煙の影響により肺がん等の病気にかかりやすくなることを学習しております。また、中学校においては、保健体育の保健領域において、肺がんに加えて、多量飲酒により食道がん等にかかりやすくなる危険性が高まることを学習しております。
議員御案内のとおり、がん教育を推進するに当たり、教員のみならず外部講師を招いた、がん教育は有効であると捉えております。
平成28年5月には、文部科学省の外部講師を用いたがん教育ガイドラインを市内小中学校に通知し、外部講師を活用したがん教育の必要性を確認したところであります。
小学校では、栄養士や薬剤師等を招いて、さまざまな健康に関する問題等を通じて学ぶ健康教育が行われ、健康と命の大切さについて理解を深めております。また、中学校では、14年前から、いのちの教育を基底にした、いのちを育む教育アドバイザー事業により、市教育委員会が委嘱した医師が全ての中学校を訪問して、性教育を中心に命の大切さについて指導を行っております。
その中で、学校の要望により、がんについての内容を含めた講演を実施し、生徒のがんに対する正しい理解につながったとの報告も受けております。
市教育委員会といたしましては、がん教育の重要性を踏まえ、各学校におけるがんの予防知識の指導に加え、今後も医師会等との連携を密にしながら、児童生徒に対して、がんに関する予防や健康診断等の正しい知識の普及を図るとともに、健康と命の大切さについて考える態度を育んでまいります。
以上であります。
○副議長(古舘傳之助 君)中村議員
◆4番(中村益則 君)教育行政について教育長から詳細に答弁をいただきました。ありがとうございます。
初めに、新聞を活用した授業の取り組み事例を紹介していただきました。新聞づくり、また社説の比較研究、また、各教科での新聞を活用した授業など、初めて今回お聞きしまして、さまざまな取り組みをしているのだという実感を持ったところでございます。
最近では、新聞を購読する世帯が減ってきているとの報告があります。インターネットでの配信で情報を知ることができるなどの利便性が向上していることも一因と思われます。本に関しても、買わなくてもインターネットで読める環境ができています。このような中で、新聞を読むほど好成績との調査結果が出ておりました。
経済協力開発機構、OECDが過去に行った各国の15歳を対象にした国際学力調査では、新聞を読む生徒ほど読解力の成績がよい傾向が見られたとの報告があります。上位から上海、韓国、フィンランド、日本の順で、どの国においても平均点が読まない人より約35ポイント高い結果が出ているとの報告です。
また、ある報告では、読解力だけではなくて、話題のニュースで親子が対話をするようになりコミュニケーション力も身についた、社会に関心を向けるきっかけとなった、また、視野の広がることに期待ができるなど、多数の利点も多いと言われております。
こうした点からも、今後、配備された各学校の新聞も活用しながら、読解力の向上に有効な取り組みを講じていただきたいと思います。
また、先ほど教育長がおっしゃっていました各学校での情報の共有も今後大事な取り組みと思いました。読解力の向上に有効な取り組みを講じていただきたいとともに、そのことがさらにこの八戸の本のまちの基盤にもつながってくると思いますので、よろしくお願い申し上げます。
外部講師を招いた出前講座の実情をお聞きしました。出前講座の代表的なものと言えば、特に昨年より始まった18歳選挙に伴い、選挙管理委員会が強化し行っている主権者教育が挙げられます。この講座を受けた年代と受けない年代の投票率にも差があらわれております。こうした教育現場においての社会教育は重要な役割を果たしているとも言えます。
昨年、社会保障や年金制度について、大学生が主体となりユース年金学会が都内で開かれ、その中で年金についての問題を6問出題したところ、8割の人は正解が2問以下か全問不正解だったとし、年金に対しての基礎知識がほとんど身についていない状況が浮き彫りになったと報告されております。大学生のほとんどは、親が年金を掛けているのが実情で、社会人になって初めて制度を知ることになるため、このような結果になっていると分析しています。
また、現行制度に不満があると答えた人が過半数に及び、会場には厚生労働省の職員や大学教授も参加し、制度の仕組みを訴え、学生からは制度の改正など活発な意見や要望が出されたそうです。将来、年金が破綻するとか、損をするから払わないとかといった誤った考えにならないよう、教育の必要性を訴えております。ぜひ今後このような出前講座や職業体験の場をふやして、将来の希望につながる授業として取り組んでいただきたいと思います。
先日、建設業界の方々と懇談の機会があり、どの業界にとっても人材不足、人手不足という話題になりました。家を1軒建てるにも水道屋さん、木材屋さん、大工さん、さまざまな業種がかかわるわけですけれども、共通して言っていたことは、やはり職人のなり手がない、人材が不足しているといった話が続きました。
その中で非常に有効だった話は、中学生で体験するグッジョブの話になりまして、各経営者の方々は中学生を受け入れた体験がございまして、その経験を皆さんおっしゃっていました。くぎ1本、かんなを一つかけるだけでも生き生きとして目が輝いていたと。そして、帰るころには本当にもうその職業に興味を持って帰ってもらったと。この体験は非常に有効だという話で、皆様、各経営者が話をしておられました。ぜひこういった体験を、職種をもっとふやして、多数体験できるような制度にしていただきたいという要望をお聞きしてきたところでございます。
このひとときの体験が自分の将来を決めるきっかけとなるかもしれません。このような社会教育の機会をぜひふやしていただきたいということを要望いたします。
がん教育については、青森県として、がん死亡率改善に取り組んできているところでございますが、12年連続ワーストから脱却できない現状があります。
新年度は、ある地域を対象として、大腸がん検査を県が負担する施策を発表し、健康診断の未受診者には無料で検査キットを配布するなどの取り組みが実施されます。これまでも、がん対策としてさまざまな取り組みをしてきましたが、効果は薄いものでした。
大阪府では、がん死亡率全国8位と高いことから、がん教育に力を入れています。大阪府が独自でがん予防学習をスタートさせ、中学校23校で行っており、ある日行われた授業では、市民病院の名誉院長が講義を担当され、発がんのメカニズムや予防方法を学び、活発な質問も寄せられたそうでございます。
若いときから、がんに関する知識を学ぶことは、予防の観点からも極めて大事なことだと訴えております。大人になってからの予防よりは、早目の対策を講じるべきと考えます。
八戸市にも八戸市立市民病院がございます。各先生にも協力していただき、このような取り組みをするべきと考えます。将来のリスク対策に生かす教育につなげていただきたいことを要望して、教育行政についての項目は終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。福祉部長
◎福祉部長(加賀仁志 君)次に、高齢者居住支援事業についてお答え申し上げます。
国では、民間賃貸住宅の市場において、高齢者世帯や障がい者世帯、子育て世帯並びに賃貸人の双方の不安を解消するための仕組みを構築し、高齢者等の円滑な入居を支援することを目的として、平成18年度から、あんしん賃貸支援事業を実施してきており、県内では、この制度に基づき平成27年9月に設立された青森県居住支援協議会が青森県あんしん賃貸支援事業を実施しております。
この事業は、居住支援協議会が、入居を仲介する不動産業者と入居先となる賃貸住宅、入居後の支援を行う支援団体を登録し、地方公共団体と連携して高齢者等の入居を支援するものであり、平成29年2月現在の登録件数は、入居を仲介する不動産業者が10件、入居を受け入れる賃貸住宅が1件となっております。
国の調査資料によりますと、単身高齢者等の入居に拒否感があると答えたオーナーの割合は約6割で、その理由としては、家賃の支払いや孤立死への不安があるとの回答が多く寄せられており、このことが当該事業における登録件数の少なさの要因と思われます。
当市の高齢者に対する居住支援の現状といたしましては、この事業の活用例はなく、地域包括支援センターやサブセンターが身寄りのない高齢者や虐待を受けている高齢者を支援する中で個別に対応している状況となっております。今後は、青森県あんしん賃貸支援事業の登録状況を見ながら、ニーズへの対応方法等について、不動産関係団体や居住支援団体と協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)中村議員
◆4番(中村益則 君)高齢者の住宅事情と住まいの現状は厳しい課題を抱えております。国立社会保障・人口問題研究所による将来推計人口では、2025年における75歳以上人口が約2179万人で、全国のおよそ5人に1人が75歳以上の高齢者となり、2040年には全ての都道府県で65歳以上の人口が3割を超えるとされております。
高齢人口の増加によりさらに深刻なのは、高齢者世帯のうち約7割が単独世帯か高齢者夫婦だけの世帯ということです。同居する家族が生活の支援や介護をすることを望めない生活スタイルであり、何らかの受け皿が欠かせない状況です。
現在の制度で取り残されていると考えられるものが、生活支援を受けていない自立した高齢者の方だと思います。このような方は、どこにも相談できていない可能性は十分あり、表面化していないのかもしれません。また、公営住宅にしても、保証人が2人必要であり、ハードルは依然高いものであります。
このような課題に対応するために発足したのがこの協議会の役割ではないでしょうか。国も県も重要な課題として立ち上げた組織ですが、内実が伴わない現状です。一朝一夕に解決される問題ではありませんが、将来誰でもが抱える課題として、また日ごろから言葉にする安心安全なまちづくりの実現のためにも、老後も安心して暮らせる八戸市の構築のためにも、組織の機能強化を要望して、この項目は終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で発言事項3は終わります。
次に、発言事項4について答弁願います。建設部長
◎建設部長(佐々木隆二 君)次に、新大橋整備についてお答え申し上げます。
新大橋は、一級河川馬淵川に昭和30年に架設され、以来約60年が経過しており、床版が腐食するなど老朽化が著しいことから、大規模修繕案と、かけかえ案について比較検討し、経済性、通行の安全性、河川への影響を総合的に評価し、平成27年3月に、かけかえの整備方針を決定したものであります。
かけかえすることにより、歩道幅員が1メートルから3.5メートルに広がり、歩行者及び自転車が円滑に通行できるようになるとともに、構造的にも現在の耐震基準を満たす安全性の高い橋となります。
設置位置については、現在の橋を供用しながら別の位置に新橋を設置する案や、仮橋を設けて現在の位置に設置する案についても検討いたしました。その結果、周辺施設の立地状況として、沼館側のガスタンクや八太郎側の高圧送電線が近接しており、別の位置への新橋の設置は難しいこと、また、構造的、機能的に仮橋の設置が難しいことから、現在の位置に設置し、工事期間中は仮橋を設けず、全面通行止めとするものであります。
それにより、現在の交通量が周辺道路に迂回するため、交通渋滞の緩和に向けて、事業地周辺の交差点改良や信号現示の調整等の対策について関係者と検討してまいります。
工事スケジュールといたしましては、現在の橋の撤去と八太郎側の八戸臨海鉄道にかかる跨線橋の工事を先行し、その後、新橋の工事を行う計画であり、平成30年度の着工、平成39年度の供用開始を予定しております。
工事期間が約10年になる主な理由ですが、治水上の観点から、集中豪雨や台風などにより洪水が起きやすい出水期には、原則、河川区域内の工事はできないことになっております。したがいまして、1年のうち工事期間は非出水期の11月から翌年5月までの7カ月間となり、通年施工の場合に比べ工事期間を要すること、さらに、新設橋とは異なり、現在の橋の撤去に要する期間も含まれることによるものでございます。
次に、工事内容等の市民への周知についてですが、事業の内容や工事期間中の交通規制等について広く市民の方々に御理解していただくため、事業説明会を開催するほか、市広報紙やさまざまな媒体を活用して周知に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)中村議員
◆4番(中村益則 君)新大橋整備事業について御答弁をいただきました。要望を申し上げます。
説明を伺って納得はするものの、正直、それでも10年かかるのかというのが一般的な感想だと思います。これまでも橋の整備事業として、馬淵大橋や沼館大橋などがかけかえ、また新設されるなどして、利便性と渋滞の緩和、通行の安全性確保に努めてきたところであります。工事期間中は、付近の住民の方や多くの市民の皆様の協力のもとで完成されたものと思います。工事期間中の交通対策には万全を期すとともに、1日1万5000万台もの車が迂回を余儀なくされることから、実証実験の実施には、想定される課題の対策を強化するとともに、実証実験の結果なども公表し、理解を得るべきではないでしょうか。工期の10年間に関しても、まずは安全が最優先ではありますが、市民ニーズに応えるための最大限の努力をしていただき、一日でも早い完成を要望して、この項目は終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で発言事項4は終わります。
次に、発言事項5について答弁願います。総務部理事
◎総務部理事(細越敬一郎 君)それでは、大規模火災の対応についてお答え申し上げます。
八戸市における消防体制は、八戸消防署と八戸東消防署を拠点とし、分署、分遣所を合わせ9署所、水槽付消防ポンプ車など消防車両43台を配備し、災害の種類や規模によって、一次、二次、特命出動に区分した出動計画を作成し、火災や救急、救助等の災害対応に当たっております。
強風や空気の乾燥などの気象条件により火災が発生しやすい状況では、火災注意報や火災警報を発令し、広報巡回等を実施して火災予防の注意喚起に努めております。
大規模な火災が発生した場合や大規模になるおそれがあると判断される場合には、出動車両を二次出動体制とし、状況によってはさらに特命出動として車両と人員を増強するとともに、非番者を招集し、消防活動の万全を期する計画としております。
また、当消防本部の消防力だけでは対応が困難な大規模火災に拡大すると判断された場合には、消防相互応援協定に基づき、指揮本部の判断で時期を逸することなく応援を要請し、近隣消防本部等の支援を受けて対応することとしております。
次に、密集地域、空き家対策についてお答え申し上げます。
まず密集地域についてですが、当消防本部の警防計画により、古い木造住宅が密集し、道路狭隘のため消火活動が困難で、火災が延焼拡大する危険が高い地域を危険区域として指定しております。このような地域で火災が発生した場合には、出動指令時に、通常より消防車両の台数を増強した体制で出動する計画としております。
空き家対策については、消防隊の警防調査のほか、市担当課と情報を共有し、危険度の高い空き家の把握に努めております。
また、暴風などの気象に関する警報が発令された場合には、巡回を実施し警戒に当たっており、屋根、トタン等の飛散危険の通報があれば、危険排除の応急処置を講じております。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)中村議員
◆4番(中村益則 君)災害対策、大規模火災の対応について消防長より御答弁をいただきました。ありがとうございました。消火体制の強化と警戒活動の内容については、今、詳細にわかったところでございます。
新潟県の糸魚川市の事例を通した今後の課題として消防力の強化が挙げられております。市町村合併に伴い、糸魚川市では、面積としては東京23区より広いものの、人口減少と地形や密集ぐあいや空き家率などの火災危険性も考慮して、時代に合わせた消防力の基準を考える必要が求められております。広い面積に対し人口が少ないため、消防車の台数も人口に対しての台数が配置されています。また、大規模火災につながる前に、気象や密集地などを考慮した広域体制による迅速な応援体制の強化が望まれております。
密集地の火災も、今回のように大規模な火災に発展する可能性が高いとされ、都市計画の基準なども見直されてきました。また、空き家対策についても、自治体、町内会などと連携し、日ごろからの実態の把握に努めていただきたいと思います。
糸魚川市での教訓として、大規模火災で人的被害がなかったことは不幸中の幸いですが、その一因として防災無線の個別受信機が有用であったとの報告があります。強風で屋外の防災無線はほとんど聞こえない状況だったとのことで、改めて防災ラジオの重要性を強く感じるものであります。また、日ごろからの住民の強いつながりも有効だったと伝えられております。
消防団に関しても今後の課題が提起されています。今回の消火活動の中で団員9名が負傷し、そのうち1名は気道熱傷によるもので、消防団員への安全教育とともに、現在配備されている個人用保護具、PPEという名前で呼ばれていますが、安全が十分担保されているのかが問われております。特に地方の郡部では、予算の関係などで、ヘルメットとはんてん一つで火事場に駆けつける姿が見られます。本業を持ちながらボランティアとしても活動している団員の安全は絶対に確保しなければなりません。早急に国や関係機関に喫緊の課題として取り組んでいただきたいと思います。また、市長並びに市当局にも配慮がなされるよう要望いたします。
最後に再質問として、中核市になったことで強化された消防力について再質問をさせていただきます。
○副議長(古舘傳之助 君)総務部理事
◎総務部理事(細越敬一郎 君)お答え申し上げます。
救助隊の基準を定める総務省令により、中核市には高度救助隊を配置することが義務づけられており、当消防本部では、最新の救助工作車に更新するとともに、高度救助隊が装備しなければならない地震警報器や水中探査装置等の高度救助資機材を新たに配備し、平成29年1月1日に八戸消防署へ配置し、消防体制の充実強化を図っております。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)中村議員
◆4番(中村益則 君)御答弁ありがとうございました。大事なことは、私たち住民が日ごろから火災を出さないという姿勢であり、お互いに自分の地域は自分が守っていくという意識が大事だと痛感いたします。今後も災害に強いまちづくりのために連携をしながら、防災に努めてまいりたいと思います。
最後に、今年度で退職される理事者を初め職員の皆様に、私からも感謝を申し上げます。今後も市勢発展のために御尽力をいただきますようよろしくお願いを申し上げまして、私からの一般質問を終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で4番中村益則議員の質問を終わります。
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6番 田端文明君質問
○副議長(古舘傳之助 君)6番田端文明議員の質問を許します。田端議員
〔6番田端文明君登壇〕(拍手)
◆6番(田端文明 君)2017年3月八戸市議会定例会において、日本共産党議員団の一員として、市長並びに理事者各位に質問をいたします。
初めに政治姿勢として、共謀罪について質問します。
安倍首相は、東京オリンピック・パラリンピックの成功のため、テロ対策が不可欠だとして、共謀罪法案をテロ等準備罪と言いかえ、これを新設した組織犯罪処罰法の改正案という形で国会に提出しようとしています。
共謀罪は、法律に違反する行為を実行しなくとも、話し合っただけで市民を処罰できる思想、言論処罰法です。共謀罪法案は2003年以降に3回国会に提出されましたが、国民の強い批判を前に、いずれも廃案になっているものです。
菅官房長官は、従来の共謀罪とは違うと繰り返し強調していますが、本質は変わるものではありません。政府は、適用対象をテロ組織、麻薬密売組織、暴力団などを例として挙げ、一般の方々が対象になることはあり得ないと強調しています。
しかし、国会の論戦では、テロ対策を口実にしながら、国際的にテロ組織とは決まった定義はない、麻薬密売組織も法定上の定義はないとの答弁がされ、処罰対象となる組織犯罪集団も、明確な規定を示せませんでした。
組織的犯罪集団の認定は捜査機関が行うことになります。都合のよいように範囲を拡大することが可能となり、市民対象に拡大できる危険性が浮き彫りになっております。弁護士の間では、平和運動、労働運動などに対して、その気になれば摘発できるようになっているとの指摘がされております。つまり、限定などないものです。
犯罪対象は676となり、これらについて話し合っただけで一般人が対象となる可能性が非常に高くなります。26日の報道では、共謀罪対象犯罪を277に絞ったとされておりますが、本質は全く同じです。
共謀罪の捜査では、犯罪捜査のあり方が一変します。日常的に市民が法律に違反する行為を話し合っていないか広く監視する以外にありません。そのため、電話、メール、会話などの盗聴が大きな役割を果たすことになり、共謀罪立証の手段にされていくことが考えられます。
安倍政権は昨年5月に盗聴法、通信傍受法を改悪し、犯罪対象を窃盗、詐欺といった一般犯罪にまで拡大しております。金田法務大臣は、共謀罪で盗聴法を利用することについて、検討すべき課題として、将来的な活用を否定しておりません。
八戸市内でも取り組まれている反原発運動、平和運動、労働運動、デモなどが騒乱罪や組織的威力業務妨害に当たるとみなされれば監視対象となり、市民団体や政党が組織的犯罪集団とされます。そうなれば、まさに一般市民が犯罪主体にされてしまいます。
自民党の石破元幹事長は、国会前のデモをテロ行為とブログに書きました。反戦運動だけでなく、保育園ふやせとデモをしても、テロ扱いされることになってしまいます。
日本の犯罪は、警察白書では、近年は減少傾向にあります。この間、外国人観光客は1000万人を超えるまでになっておりますが、テロ関係事件はありません。共謀罪をつくらなくてはならないという理由は見当たらないのです。
私は、政府の本音は、政府と意見の違う者は捜査対象となり、拡大解釈で対象は幾らでも広げることができるというもので、戦前の治安維持法の復活を思わせるものだと思っております。
共謀罪は立憲主義を否定し、憲法を破壊し、安保法制――戦争法――維持のための反対勢力を一掃するための特定秘密保護法に続く、監視密告社会づくりとなるものです。市長の見解を問います。
次に、
連携中枢都市圏について質問します。
連携中枢都市圏構想は、地域において相当数の規模と中核性を備える圏域の中枢都市が、近隣の市町村と連携をし、経済成長の牽引、高次都市機能の集積、強化、生活関連サービスの向上に取り組み、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成することを目的とするもので、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略にも、その推進を図ることが位置づけられているものです。
人口減少対策として地方に人口のダムをつくることが打ち出されております。八戸圏域では、八戸市は中核市へ移行し、定住自立圏から1月4日に連携中枢都市宣言をし、8市町村、人口約32万人で
連携中枢都市圏を形成していくことになります。
要綱では、ビジョン策定に際して
連携中枢都市圏ビジョン懇談会を設置し、そこでの検討を経て決定するとされております。懇談会の構成員については、取り組み内容に応じて産業、大学、金融、医療、教育、地域交通の代表者や、大規模集客施設、都市機能の集積、強化を検討している関係者を含めることが望ましいとしております。
しかし、各連携町村は懇談会の構成員として想定されておりません。個別に協議ができる、にとどめられており、中枢都市のリーダーシップが重視されております。
政府が全ての自治体に策定を求めている公共施設等総合管理計画も集約を加速させる役割を担い、厳しい財政状況や人口減少等の状況を理由に、計画は施設の集約縮減にまで踏み込んだものにすべきと、公共施設を大幅に削減させる圧力を強めています。
既に幾つかの圏域が形成されてきておりますが、こうした圏域では、中心市に福祉、医療、教育などの行政サービス、公共施設、経済、雇用などを集約することになるため、周辺となる市町村では行政サービスが低下していくことにもなります。
地方創生では都市機能の集約化を図るコンパクトシティ計画が進められております。人、物、金を拠点となる地域に集めて、周辺地域は交通網で結ぶまちづくりです。周辺の行政サービス低下と住民自治の後退が危惧されるところです。
私は、人口減少と地方が疲弊したのは、政府が進めてきた輸入自由化による農林水産業の後退、大店法廃止による商店街の衰退、非正規雇用拡大による雇用破壊、地方交付税の削減、平成の大合併などによるものだと考えております。これらの原因に立つものでなければ、地方の再生はできないものと思っております。
1点目ですが、当市では市立保育所をなくしました。公的責任を放棄したにも等しいことだと思っております。少子化対策は十分だったのか、人口減少の原因はどこにあったのかとの上に立たなければ、実効ある対策にならないものと思っております。人口減少対策について質問します。
2点目です。当市では嘱託職員など非正規職員を拡大してきております。市の雇用政策は地域の雇用にも影響を与えてきており、人口減少の大きな原因になっていると考えております。雇用政策について質問します。
3点目です。安倍政権は地方創生と言いながら、発効の見込みのないTPPを強行採決し、労働者派遣法など不安定雇用を拡大してきました。安定した雇用がなければ地方移住も、安心して子どもを産み育てることもできないことで、地方自治の破壊となる、さらなる市町村再編の道州制を目指すというものであれば、地方創生もあり得ないことです。地方創生の意義について質問します。
4点目です。住民との合意形成についてですが、保健所の設置については二転三転し、市民からは戸惑いと不安の声が上がっておりました。情報公開と対話の上で合意形成を進めていくべきと考えております。
以上4点質問をいたします。
次に、新工業団地についてです。
日本経済の再生を掲げてアベノミクスが始まって4年になりますが、生産、投資、雇用、消費のいずれを見ても停滞しております。政府は、もはやデフレではないとしながら、財政のばらまきを繰り返し、累積債務と国民負担を増大させるという矛盾した政策をとり続けてきました。
日銀も、金融政策は失敗していないと言いながら、金融政策を再三変更してきています。国内の設備投資はプラスとマイナスを繰り返し、この動向は雇用にも大きな影響を及ぼしてきました。非正規率は37.6%になり、正社員への求人倍率は慢性的に0.6から0.8で推移してきております。
消費税の引き上げなど国民負担の増大で消費需要は落ち込み、経済停滞の最大の原因になっております。設備投資と個人消費は経済活動を示す最も重要な指標となっておりますが、いずれもマイナスを繰り返しながら低迷を続けており、日本経済の再生はほど遠い状況となっております。
この中で、新工業団地の事業費は五十数億円から130億円以上になるもので、景気の長期低迷、人口減少が続いている中、分譲は見通せるのか、市民にとって本当に必要な事業なのか、市民から疑問の声が寄せられているところです。呼び込み型の大型開発は見直すべきときです。
当市では、今後、総合保健センターの建設、新大橋のかけかえ、美術館の建設、公共施設の維持補修など大型の事業があります。今はやるべきときではありません。
1点目です。経済効果について、誘致企業や進出企業から地元の経済にどれだけの影響があったのか、貢献があったのか、検証されてきたのか質問します。
2点目です。市では雇用奨励金を出しておりますが、地元雇用ではどのような効果があったのか質問します。
3点目です。見通しについて、12月議会では企業立地を促し、誘致活動に取り組んでまいりますとの答弁がされております。厳しい経済事情の中、地方経済が疲弊している中、大きな事業に対して一般的な答弁でしかないと受けとめております。どのような調査や検討が行われてきたのか、改めて見通しについて質問いたします。
最後に、国民健康保険税について質問いたします。
市町村が運営する国民健康保険で、年収200万円以下で、年間の保険料負担が月収を上回るなど、支払い能力を超える国保税に市民は悲鳴を上げています。高過ぎる国保税を払えないため、全国的に医者にかかれない事態が広がっております。
全日本民医連の調査では、加盟の病院、診療所648カ所で、2014年に経済的理由で受診がおくれて亡くなった人は56人です。そのうち6割が無保険か資格証明書、短期保険証の人との結果が出ております。資格証明書、短期保険証の世帯は全国で140万人を超えると言われております。貧困と格差が広がる中、国保の構造問題は一層深刻となり、滞納世帯の増加で資格証、差し押さえの増加など、社会的被害が拡大してきました。
県を国保の監督者とする都道府県化で、矛盾はさらに拡大することになります。2018年度から国保の運営が市町村から都道府県に移管されます。その際、都道府県が市町村に標準保険料を示し、都道府県に上納する保険税、納付金の100%を義務づけます。
2013年の国保税、国保料の収納率は全国平均で約90%となっております。収納率100%などあり得ないことです。90%収納率でも納付金を100%にするために、国保税を値上げする可能性が高いと指摘されています。
2月15日の県内紙、地元紙で、2018年度から国保の県移管で、市町村別の1人当たりの保険料の試算が示されました。最も高いところと低いところでは9万2000円の開きがあり、伸び率は八戸市が最も高く23.89%、14万6000円になるとのことです。
県では、試算は現時点で見込むことができない公費助成を入れていないため、実際の負担額を示すものではない。今後も変動はあり得るとのことですが、国保加入者からは、とても払えるものではない、どうすればよいのか、などの声が上がっているところです。
高過ぎる国保税の問題は、今や貧困と格差の深刻なあらわれとして、テレビや新聞、経済誌に取り上げられる社会問題となっております。
現在の国保税が市民の支払い能力を超えていることは、全国の自治体当局も認めざるを得ないところとなっております。
国保が高くなった原因は、国の予算が削減です。歴代自民党政権は、国保法改悪を皮切りに、国保の国庫負担を削減し続け、国保を深刻な財政難に陥らせました。この間、失業者、非正規雇用者が大量に国保に加入し、規制緩和によって自営業者の経営難、廃業が加速し、国保の貧困化が進行してきました。
昭和59年から、国庫支出金は49.8%から27.1%へと半減し、1人当たりの国保税は、全国平均で3万9000円から8万2000円になりました。もう1つの要因として、加入者の貧困化、かつては国保加入者の多数は自営業、農林漁業者でしたが、今では国保世帯の4割は年金生活者、3割が非正規労働者であり、加入者が貧困化しているのに、保険料、保険税が上がり続けるのでは、滞納者がふえるのは当然のことで、構造的なものです。
全国知事会など地方団体では、被保険者の多くが低所得者なのに保険料負担が重過ぎることこそ国保の構造的問題であり、この矛盾は国庫負担の大幅増額によってしか解決できないということが指摘をされております。
1点目です。2月15日に報道された、保険税の県の試算した金額についてですが、当市に打診があったのか、前もっての話があったのか、相談があったのか質問します。
2点目です。当市の短期保険証の交付数は、昨年6月末で3395で、県内で最多となっております。資格証明書交付数は209で県内で4番目となっておりますが、県に移管されることによって改善されるのか、どのようになっていくのか質問します。
3点目です。頭に国民と名のつく公的な保険で、国の手厚い支援がなければ成り立たないものです。国庫負担の増額を求めて全国の自治体、全国町村会、全国市長会など要請が行われてきております。質問でも、国への要請を求めてきたところですが、市としてどのような要請を行ってきたのか、質問します。
以上3点質問をし、壇上からの質問を終わります。
〔6番田端文明君降壇〕(拍手)
○副議長(古舘傳之助 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)田端議員にお答え申し上げます。
議員御質問の共謀罪は、国際的な組織犯罪に対処するための国際協力を目的とした、平成12年に国連で採択された国際組織犯罪防止条約の締結に向け、国内法の整備の一環として政府において検討がなされているものであります。
報道等によりますと、政府は共謀罪をテロ等準備罪に改めた上で、処罰の対象を組織的犯罪集団に限定し、例えばテロ組織による組織的強要、暴力団による組織的な殺傷事犯、悪徳商法のような組織的詐欺事犯などを対象としていることから、国民の一般的な社会生活上の行為は共謀に当たらないとしております。
しかながら、各方面からは、実際の犯罪行為がない場合でも、相談や計画しただけで処罰できるという点や、組織的犯罪集団の定義が曖昧であるなど、表現や言論の自由が必要以上に制約され、国民の安全な暮らしに影響が出るのではないかと懸念されております。
議員御質問の共謀罪につきましては、さまざまな議論が続いておりますが、私といたしましては、組織的な犯罪から市民が守られ、また市民の正当な権利に影響がないよう慎重に審議されることを期待しているところであります。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○副議長(古舘傳之助 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)意見を申し上げます。
安倍首相は、共謀罪を成立させるために、国際犯罪防止条約を締結できなければ東京オリンピック・パラリンピックを開けないと言っても過言ではないと、衆議院の本会議で答弁をしております。しかし、条約では、自国の国内法に従ってとなっており、これを国内法に照らせば、共謀罪は全く必要がないという結論が出されております。オリンピックを機会に、何としても共謀罪を成立させたいということが、いつもの報道で伝わってくると思っておりました。
27日の法務大臣の答弁ですが、電話やメール、アプリ、LINE上でのやりとりでも共謀罪は成立するとの考えを示しております。宗教法人や朝野球チーム、同窓会のメーリングリストなど、もとの団体の性質には一切関係なく、一変した場合は組織犯罪集団とみなすことを明らかにしています。全てが対象になるということです。一般の私たちのコミュニケーションが取り締まりの対象とされることになります。
これまで全国で反原発運動や戦争法反対、安保法制反対の集会、運動が行われてきておりますけれども、これに対して警察や自衛隊の情報保全隊がありますが、写真撮影や盗聴をしております。これらは全く法に基づかないもので、公務員の守秘義務違反や違法捜査で、現在、裁判となっております。共謀罪が通ることになれば、立証していくためには、さらにこれらが強化され、私たちはふだんから監視されていくことになるとも思っております。
共謀罪は過去3度国会に出してきておりますが、全て廃案になっております。国民の強い反対で廃案になった経緯があります。政府は今回出したときには、以前の共謀罪とは違うと言ってきております。しかし、法案の文言は全く同じものが使われております。
また、今回はテロ等防止と言っておりましたが、テロという言葉が1つも入っていないということです。テロ対策と言いながら、執拗に出してくる共謀罪の目的は何かということです。監視、密告社会をつくり、憲法を破壊して、戦争をする国づくりへの下地づくりが行われていくことになります。戦前の暗黒社会へ逆戻りすることになると思っております。絶対に許してはならないことだと申し上げて、この質問を終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)それでは、
連携中枢都市圏における人口減少対策についてお答え申し上げます。
我が国においては、人口減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への過度の人口集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことが喫緊の課題となっております。このため国においては、人口減少、少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある経済・生活圏を地方において形成していくことを目的に、
連携中枢都市圏や定住自立圏の形成等を促進することとしております。
当市におきましては、平成21年度に定住自立圏を形成し、さらに
連携中枢都市圏の速やかな形成に向けて、圏域7町村と協議を重ねているところであります。現在、策定に向けて検討しております八戸圏域
連携中枢都市圏ビジョンでは、
連携中枢都市圏において期待される、圏域全体の経済成長の牽引、高次の都市機能の集積、強化、生活関連機能サービスの向上に係る23施策64事業を掲載しております。
予定している連携事業について、その一部を申し上げますと、雇用支援に対する取り組みのほか、圏域への移住を促進するため、首都圏等での相談会や交流イベントに出展するとともに、圏域内への移住希望者に対する各種相談に応じるコーディネーターを配置する移住交流促進事業を予定しております。
また、結婚を希望する若者に対し、民間とも連携しつつ、出会いの場の創出、拡大を図るとともに、圏域に対する理解の深化と定住への意識の醸成を図るため、縁結び支援事業等を予定しております。
これまで培ってきた定住自立圏での連携の取り組みを充実、強化し、今後とも圏域町村と一体となって各種連携事業を推進することにより、人口減少社会の中にあっても八戸圏域が北東北における定住拠点となるよう、魅力あふれる圏域づくりに取り組んでまいります。
次に、雇用政策についてお答え申し上げます。
八戸圏域
連携中枢都市圏では、形成後の雇用に資する事業として、求人・求職情報等無料ウエブサイト運営事業、地域事業所人材獲得等支援事業、
企業誘致セミナー関催事業、勤労者福祉サービスセンター事業の4事業に取り組むこととしております。
各事業の内容を個別に申し上げますと、まず求人・求職情報等無料ウエブサイト運営事業は、圏域内企業の人材の確保と求職者の早期就職の促進、職種によるミスマッチの改善等を図るため、当市が運用してきた、はちのへジョブ市場を八戸圏域ジョブ市場に改め、圏域内の求人、求職情報を集約、発信していくものであります。
次に、地域事業所人材獲得等支援事業は、圏域内企業の人材不足の解消や新規学卒者を含む若年者の人材流出の抑制、UIJターン就職の促進を図るため、圏域内企業の情報発信力の強化や採用力向上、インターンシップの受け入れ体制の構築を支援するセミナーを開催するとともに、参加企業を対象とした人材確保に係る個別相談を実施するほか、首都圏等で開催される就職、転職フェア等に企業が出展するための経費の一部を助成するものであります。
次に、
企業誘致セミナー開催事業は、首都圏や中部圏において
連携中枢都市圏の立地環境やインセンティブ等を総合的にアピールすることにより、新たな企業の誘致につなげるもので、働く場の創出はもとより、立地時の設備投資や操業後の企業間取引の新設、拡大に伴う地元企業への経済効果、新たな雇用創出効果、さらには固定資産税等の税収効果等、さまざまな波及効果が期待できるものであります。
次に、勤労者福祉サービスセンター事業は、圏域内の中小企業従業員の福祉の向上と雇用の安定を図るため、当該中小企業従業員に対する福利厚生事業を実施するものであります。今後は、これらの事業を連携町村とともに推進し、圏域内の雇用の確保と県外への人材流出の抑制に取り組んでまいります。
次に、地方創生ついてお答え申し上げます。
地方創生とは、少子高齢化に歯どめをかけ、人口減少問題を克服し、将来にわたって成長力を確保していくことを目指す取り組みであります。国においては、地方創生を実現するため、平成26年に、まち・ひと・しごと創生法を制定し、同法に基づく国の総合戦略を策定するとともに、都道府県及び市町村においても同様の取り組みが進められてきたところであります。
国の総合戦略では、基本目標1、地方における安定した雇用を創出する、基本目標2、地方への新しい人の流れをつくる、基本目標3、若い世代の結婚・出産、子育ての希望をかなえる、基本目標4、時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携することを掲げ、それぞれの基本目標ごとに数値目標等を設定しております。
連携中枢都市圏の形成は、基本目標4の中で推進することとされている取り組みで、国では平成32年度までに全国で30圏域の形成を目指しており、現在17圏域が形成されております。
八戸圏域では、これまで定住自立圏を形成し、生活関連機能の強化等に取り組んでまいりましたが、今後新たに
連携中枢都市圏を形成し、経済成長や都市機能の集積、強化に取り組むことは、圏域のさらなる発展に資するものと受けとめております。人口減少社会においても、当圏域が持続的発展を遂げていくため、
連携中枢都市圏としての取り組みを推進し、八戸圏域における地方創生を実現してまいりたいと考えております。
次に、
連携中枢都市圏の形成に係る住民との合意形成についてお答え申し上げます。
八戸圏域
連携中枢都市圏の形成に向けては、これまで、広報紙等での周知や、圏域の関係者並びに住民の皆様を対象に、大学教授や総務省職員を講師として迎え、広域連携の取り組みや制度についての講演会を開催してまいりました。
昨年度は、8市町村の有識者、関係課職員を交え、広域観光、農業振興、移住・交流、結婚支援の4つの分野において、
連携中枢都市圏における連携施策の可能性について検討会を開催しております。
今年度においては、圏域の関係者で構成する
連携中枢都市圏ビジョン懇談会を開催し、関係者の皆様からの御意見を踏まえながら、ビジョンの策定が進められているところであります。
また、ビジョン懇談会の開催内容や資料等につきましては、ビジョン懇談会終了後、市ホームページに公開しております。
本年1月4日には、八戸市公会堂において開催した中核市移行式に引き続き、約500人の圏域住民、関係者の皆様の前で、八戸市が近隣町村との連携に基づいて圏域全体の将来像を描き、圏域全体の経済を牽引し、圏域住民全体の暮らしを支える役割を担う意思を有すること等を明らかにする連携中枢都市宣言を行っております。
また、1月20日から1カ月間、ビジョンの原案についてパブリックコメントを実施したところ、圏域住民の皆様から御意見を頂戴しております。
来年度以降につきましても、引き続き八戸圏域
連携中枢都市圏ビジョン懇談会を開催し、ビジョンの検証や見直し等について、圏域の関係者の皆様から幅広く御意見を頂戴するとともに、公民館やサービスセンターにビジョンを配架するなど、
連携中枢都市圏の取り組みに関する住民への周知に努めてまいります。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○副議長(古舘傳之助 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)意見と再質問をしていきます。
ヒアリングが行われておりますが、田子町や新郷村では過去10年で出生数が半減し、児童生徒数の減少で小中学校統廃合が進んできています。老年人口の増加、空き家の増加などが挙げられております。私は、人口の減少や出生数の減少、過疎の原因は何かということを思ってまいりました。
一番の問題は、雇用、暮らせる賃金が、自分が今住んでいるところで得られるのか、ここで将来的にも生計を立てることができるかという、その1点だと思っています。それで高校卒業または転職で、ふるさとを後にして都会へ出ていく人が後を絶たないということになると思ってまいりました。
市の統計からですが、2年ほど前の資料ですけれども、東京都が1年間で800人、宮城県が782人、岩手県、神奈川県と続いていきます。毎年7000人以上が八戸市から都会へ出ていく、年々増加傾向になっていると見ておりました。
香川県の高松市は、一昨年の9月4日に連携中枢都市宣言をしておりますが、その後のことです。行政サービスが縮小されて、集約で住民からの不安が上がっているとのことです。市が提案してきた行政組織の再編計画で、合併前の旧町村単位にある支所業務の縮小、出先機関の統廃合が進んで、支所は格下げされたということです。人口減少が一層進んで、スーパーもなくなり、まちが廃れてしまったというようなことが言われております。
ここで2点ほど再質問いたしますが、定住自立圏では人口減少対策が柱となっていたと思っていますが、こちらでの成果について質問します。
2点目ですが、まち・ひと・しごと創生総合戦略では、子どもを育てるのに夫婦で年収500万円以上が必要であり、また、2000万人ほどいるとなっているフリーターを非正規雇用と言いかえてもよいのかもしれませんが、124万人に減少させると具体的な数字を出しています。雇用政策でフリーター、非正規の減少に向けてどのように取り組んでいくのか、2点質問します。
○副議長(古舘傳之助 君)市長
◎市長(小林眞 君)それでは、田端議員の再質問にお答え申し上げます。
総務省が5年ごとに実施している国勢調査における圏域人口を、定住自立圏に取り組む前の平成17年調査、取り組み開始直後の平成22年調査、取り組み開始から5年が経過した平成27年調査をそれぞれ比較いたしますと、平成22年、平成27年、いずれの調査も前回調査から減少しているものの、その進行速度は平成27年調査において、若干ではありますが、穏やかになっております。
また、この平成27年調査では、国立社会保障・人口問題研究所が平成25年3月に公表した圏域8市町村の将来推計人口を1773人上回る結果となりました。私は、加速度的な進行が見込まれている人口減少に歯どめをかける上で、八戸圏域における定住自立圏の取り組みは一定以上の効果があったと認識しております。
人口減少の克服には、まだまだ相当に長い期間を要しますが、国や県などの関係機関等との適切な役割分担と効果的な連携を図りながら、関係町村と緊密な連携のもと、
連携中枢都市圏の仕組みを活用して、引き続き圏域全体の活性化に向け、各種施策に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(古舘傳之助 君)商工労働部長
◎商工労働部長(中村行宏 君)私のほうからは、フリーターの減少に向けまして市はどのように対応していくのかという御質問についてお答え申し上げます。
国におきましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略2016改訂版の中で、若い世代の経済的安定に向けた施策において、国が2020年までに達成すべき重要業績評価指標といたしまして、20歳から34歳の若者の就業率を2015年の76.1%から79%に向上させることや、先ほど議員がおっしゃいましたフリーターの数を、2015年の167万人から124万人に減少させることを掲げてございます。
国におきましては、その目標を実現するために、フリーター等の正社員化支援に取り組むとともに、2016年1月には正社員転換・待遇改善実現プランを策定いたしまして、青森労働局におきましても地域プランが策定されているところでございます。
同地域プランでは、今年度から5カ年にわたりまして、フリーターを初めとする若者や派遣労働者などの正社員転換や待遇改善に取り組んでいくこととしており、各ハローワークにおきまして専任の担当者がフリーターにきめ細やかな職業相談を実施するとともに、業界団体等に対し正社員転換等の取り組み要請を行っていると伺ってございます。
一方、市におきましては、先ほど市長が申し上げましたとおり、企業誘致等により雇用の拡大に努めているほか、フロンティア八戸職業訓練助成金交付事業によりまして、フリーターを含めた若年未就職者等の職業能力の開発を支援し、希望する職業への早期就職や正規雇用の促進につなげているところであり、引き続きハローワークや関係機関との連携を図りながら雇用環境の改善に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)意見を申し上げます。
我が党では、地方をどのように発展させていくか、また再生させていくのかということでは、農林水産業、地場産業、中小企業、小規模事業の振興など地域活性化に全力を注ぐべきで、東京への一極集中政策を是正し、Iターン、Jターン、Uターンへの支援強化の拡充、震災以降は若者が地方回帰への傾向が強いと言われております。この流れを後押しすることが地方の活性化へつながることだと提言をしております。
また、
連携中枢都市圏についてですけれども、これは財界が究極の構造改革と位置づける道州制への道を開くものだと言われております。しかし、私は道州制へつなげると言うのであれば、地方は一層衰退が進んでいくことになると思っています。衰退の原因の解明と地域住民の意見に基づいた、暮らしの現状に基づいたことに対しての対策をとっていくのでなければ、地方の創生はあり得ないことだと思っております。
以上、意見を申し上げて、この質問は終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で発言事項2は終わります。
次に、発言事項3について答弁願います。商工労働部長
◎商工労働部長(中村行宏 君)新工業団地につきまして、私からお答え申し上げます。
まず、経済効果についての御質問でございますが、当市は、これまで臨海工業地帯や八戸水産加工団地、桔梗野工業団地のほか、近年は
八戸北インター工業団地を整備し、時代に応じて多様な産業を産業団地に集積させ、北東北最大級の産業都市として発展してきたところであり、産業団地は、まさに当市の経済成長を支えてきた基盤であると考えてございます。
これら産業団地への企業立地により生じる経済効果でございますが、立地時の設備投資に伴い地元建設関係企業等で短期的な経済効果が得られるとともに、操業開始後には、資材や部品の調達、施設のメンテナンスや物流面等で新たな企業間取引が創出されることで継続的な経済効果が生じるほか、従業員の採用による雇用効果など、地域経済に対してさまざまな波及効果をもたらしております。
さらに、企業の固定資産税や法人市民税、従業員の住民税等の増加といった税収効果もあることから、産業団地はこれまでの市勢発展に大きく貢献してきたものと認識しております。
次に、地元雇用についてお答え申し上げます。
市では、地域の雇用を確保していくため、誘致企業との立地協定におきまして、地元出身者の優先的雇用や従業員の雇用条件の改善、向上に努めることを盛り込むとともに、産業団地を初め市内への立地に対しては、八戸市民の新規雇用を要件の1つとして各種奨励金を交付してまいりました。
このように、市と立地企業とが協力しながら地域のよりよい雇用環境の創出に努めており、平成28年4月1日現在における誘致企業の従業員数は4845人となり、その雇用形態といたしましては、正社員が3114人で約64.3%、パートや契約社員などの非正規社員が1731人で約35.7%という状況でございます。
また、
八戸北インター工業団地を含む八戸グリーンハイテクランドと、桔梗野工業団地内に立地しております誘致企業で申し上げますと、従業員数は1428人であり、そのうち約74.3%の1061人が正社員として就業し、約25.7%の367人が非正規社員として就業している状況であり、地元雇用につきましては一定の成果が図られているものと考えております。
次に、新工業団地の開発の見通しについてお答え申し上げます。
市では近年、
八戸北インター工業団地の分譲が急速に進んだことや、経済産業省の平成26年上期の工場立地動向調査で工場立地件数が増加傾向にあったこと、他都市においても産業団地開発への動きが見られていること等を背景に、新たな産業団地の開発に着手したものでございます。
また、平成27年度には、新産業団地開発基礎調査において、前述の工場立地動向調査を初め、日本政策投資銀行の設備投資計画調査、さらには産業立地と地域振興にかかわる総合的調査研究機関であります一般財団法人日本立地センターが実施しております新規事業所立地計画に関する動向調査により、企業の立地や設備投資の動向を調査しております。
これによりますと、全国的な傾向といたしまして、企業の設備投資意欲や立地件数は、リーマンショックによる激減から、震災以降は回復の兆しが見られ、以来増加傾向にあると分析されております。また、隣県の岩手県、秋田県には、近年、自動車産業関連企業が多く進出しており、北東北への企業の設備投資及び立地意欲が高まっているものと考えております。
このような傾向は、日本立地センターの最新の調査においても続いており、将来の国内外での事業活動の比重について、7割以上の企業が国内を強化するとの結果が出されております。加えて、地方自治体等へ求める対策として、用地等受け皿の整備、供給を必要と回答している企業が3年連続で増加しており、立地条件のよい産業用地の不足感が強まってきているとの分析が示されているところでございます。
当市におきましても、震災以降、誘致件数が30件、
八戸北インター工業団地の分譲面積が約19.9ヘクタールと増加傾向であることや、全国的な企業動向も踏まえると、引き続き企業立地に大きな期待が持てると強く感じているところであり、今後とも新たな産業団地の開発を着実に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)まず、1点再質問します。事業の財源についてどのように考えているか、質問します。
○副議長(古舘傳之助 君)商工労働部長
◎商工労働部長(中村行宏 君)新産業団地の事業費でございますけれども、平成29年度に策定を予定しております基本計画で概算経費を算出する予定でございます。御質問の事業費の財源でございますけれども、現在のところ国の補助金等が見当たらない状況でございまして、起債等の活用も含めまして今後、財政部と協議してまいりたいと考えてございます。なお、当該事業費につきましては、
八戸北インター工業団地同様、基本的に産業用地の分譲によって全額回収できるように努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)意見を申し上げます。
まず初めに、アベノミクスで景気の回復は地方に来ていないと、市長の提案理由でも、私は認めたと受けとめております。政府のやり方ですが、国債を大量に発行し続けてきました。国と地方の長期債務は1073兆円になります。G7の諸国の中でも、ただ1つだけGDPの2倍に当たる1000兆円まで膨張してきたということです。
私は、政府がみずから好景気を演出してバブルをつくり出していると思っております。また、この数字を見るだけでは経済の好循環など起こっているものではなく、後世に大きくツケを残すようなもので、いつまでも続くものではないと思ってまいりました。
財団法人東北産業活性化センターでは、1990年のバブル以降、立地件数の大きな減少が生じている、特にこの中でも山形県、宮城県、新潟県では2002年以降増加傾向が顕著になっていますが、青森県、秋田県、岩手県では長期に低迷が続いており、特に震災以降は深刻だという判断をされているようです。これから企業立地をするのであれば、東北地域の都市集積地である仙台市圏への立地促進を目指すことが重要だとの提言がされて、ここで1つの方向が示されていたと思っております。
私は今、市民の暮らしを見れば、国保や介護、また消費税の増税で物価が上がって、日々の暮らしで大変になってきているということは誰もが実感していることだと思っていました。また、昨年は年金のカット法が強行されました。私は繰り返し負担増を求めてくる国に対して、市民の暮らしを守るために市として防波堤の役割を果たすべきときだと思っております。
北インター工業団地の分譲が始まってから、現在は85%になっているとのことですが、ここまで25年という月日がかかっています。これが長いかどうかは、私はわかりませんけれども、新たな市民負担になることだと思っております。
以上のことから、新工業団地には反対をして、中止を求めて、この質問を終わります。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で発言事項3は終わります。
次に、発言事項4について答弁願います。健康部長
◎健康部長(工藤朗 君)それでは、私からは国民健康保険税の御質問についてお答え申し上げます。
まず初めに保険税、県の試算についてでございますが、県では平成30年度以降、国民健康保険運営の基本的な方針等を検討するため、昨年1月に県内の全市町村長等により構成される青森県国民健康保険市町村等連携会議を設置しております。この連携会議及び各市町村の国保担当課長等で組織されるワーキンググループにおきまして、県と市町村が保険料率の算定方式などについて話し合ってまいりました。
去る2月14日に連携会議が開催され、その場におきまして、各市町村の平成29年度当初予算のデータをもとに、新制度での算定方式により県が試算した県内各市町村の1人当たりの保険税額が示されました。この試算では、当市の平成29年度の1人当たりの国保税額は、平成28年度と比較して23.89%の増となっております。
しかしながら、今回の保険税の試算は、国及び県の特別調整交付金及び保険者努力支援制度など、現時点で見込むことのできない公費助成を入れずに計算しておりますことなどから、県では試算結果は新制度における各市町村の実際の負担を示すものではなく、今後変わり得るものであるとしております。
また、今回、各市町村へ試算結果を提供した目的につきましては、市町村と情報を共有し、市町村において適正な国保財政の運営に係る検討を行うためとしておりますことから、今後の検討材料として示されたものであると認識しております。
なお、より正確な試算につきましては、本年夏ごろに国から示される公費の考え方等を踏まえ、本年10月ごろに算出される予定となっており、また、最終的な保険税率等につきましては、来年1月に県から示される見込みとなっております。
次に、短期保険証、資格証についてお答え申し上げます。
平成30年度からの国民健康保険事業は、県が財政運営の責任主体として中心的な役割を担う一方、市町村は資格管理、保険給付、保険税率の決定、賦課、徴収、特定健診などの保健事業等、地域住民に対するきめ細かい事業を引き続き担うこととされております。
これら市町村が行う事務の中で、県域化に伴いまして統一を図るべき事務につきましては、現在、県と市町村により協議を行っているところでございますが、現時点におきましては、葬祭費支給額の統一及び被保険者証と高齢受給者証の一体化の2項目について検討が進められております。
短期被保険者証及び資格証明書の事務につきましても、青森県国民健康保険市町村等連携会議などにおきまして、発行基準を統一するかどうか検討すべき課題とされておりますが、現時点では、いまだ議論がなされておらず、短期被保険者証及び資格証明書の交付基準が改善されるかどうかといった部分につきましては、今後協議が行われていく中で示されてくるものと考えております。
次に、国への要請についてお答え申し上げます。
国民健康保険制度に関する国への要望につきましては、全国市長会が各市からの意見、要望等を取りまとめ、毎年実施しております。直近の要望としましては、昨年11月17日に全国市長会から国に対し、国民健康保険制度等に関する重点提言として、1、医療費の増加に確実に対応できるよう、国による財政支援を拡充し、さらなる国保財政基盤の強化を図ること、2、新たな制度の詳細について、都市自治体と引き続き十分協議し、その意見を反映すること、特に都道府県と市町村の役割分担、国保事業費納付金及び標準保険料率の算定方法等については、都市自治体の意見を十分尊重すること、3、医療保険制度改革に伴い、市町村の負担増は決して招かないよう、国の責任において万全の対策を講じることなどの要望を行っております。
当市といたしましても、国民皆保険のかなめである国民健康保険制度を維持、充実していくためには、国によるさらなる財政支援が必要であると認識しており、今後もさまざまな機会を通じて国への要望を実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)田端議員
◆6番(田端文明 君)まず再質問をいたします。県に移管されることで、子どもの医療費の無料化や所得制限がこれから撤廃されるということになれば、その影響はどうなのか、また、洗心荘利用者への影響はどうなのか、また、申請減免について要件が拡充されるのかどうか、この3点について、まずは質問します。
○副議長(古舘傳之助 君)健康部長
◎健康部長(工藤朗 君)それでは、私からまず子どもの医療費助成を拡充した際に、財政への影響という部分でございますけれども、国民健康保険におきまして、子どもの医療費に対する助成として、被保険者が医療機関で支払う一部負担金を減額、免除した場合には、療養給付費等負担金及び普通調整交付金の国庫支出金が一部減額措置されます。現在、当市では小学生、中学生及び高校生の通院に対する医療費の助成は行ってございませんけれども、通院も医療費助成の対象にした場合は、国庫支出金がさらに減額されるということになります。
国保財政への影響につきましては、国庫支出金が減額されるという部分で減収となる見込みになります。現在、国庫支出金について一部減額されている部分につきましては、翌年度の一般会計のほうから繰り入れを行うという形でやっているものでございます。
それから、洗心荘の宿泊費の助成についてでございますけれども、国民健康保険にかかわる各種保健事業につきましては、平成30年度以降も各市町村が事務を行うこととなってございます。洗心荘の宿泊助成事業などの各市町村で独自に行う保健事業といった部分についても、市町村に認められておりますので、現時点におきましては、この事業については当面続けていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○副議長(古舘傳之助 君)財政部長
◎財政部長(原田悦雄 君)もう1点、申請減免について要件が拡充されるのかといった御質問でしたが、減免事務につきましても、先ほど健康部長の答弁にありましたように、市町村の事務として市でやっていくことになると思います。この減免につきましては、現時点では、まだ会議等の検討課題に挙げられておりませんので、今後協議が進む中で状況を見てまいりたいと考えております。
以上です。
○副議長(古舘傳之助 君)以上で6番田端文明議員の質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午後2時59分 休憩
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午後3時15分 再開
○議長(吉田淳一 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
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28番 寺地則行君質問
○議長(吉田淳一 君)28番寺地則行議員の質問を許します。寺地議員
〔28番寺地則行君登壇〕(拍手)
◆28番(寺地則行 君)平成29年3月定例会に当たり、とり年の鳥ではなく、一般質問のトリとして質問をさせていただきます。お疲れのところとは思いますが、市長並びに理事者の皆様、そして議員の皆様方、よろしくお願いを申し上げます。
ことし、新年早々、八戸市が中核市としてスタートを切りました。このスタートは、八戸市が目指す地域のあり方、将来の地方のあり方を考える上で大きな一歩であろうと思います。
進行する一極集中型政治体制では、地方は持ちこたえられなくなります。地方に財源や権限を移譲させ、それぞれの地域に合った政策や方策を進め、地方こそが住みやすく安心した子育てや老後を過ごせるような地方分権の姿が望ましいと思います。
厳しい地方行政や人口減少の中、地方の政治的受け皿としての中核市であり、八戸市の発展は周辺市町村にとりましても大きな力となることでしょう。この八戸が持つポテンシャルの高さを生かし、農業、漁業はもとより、商業や工業の集積を高め、先ほど藤川議員の一般質問にもありましたが、港湾を十分に生かし、住みやすい、将来のある都市を目指すべきと考えます。八戸市民に夢と希望を与え、さらなる飛躍を期待しながら質問に入らせていただきます。
1点目の質問は、陸奥湊魚菜市場を核としたまちづくり事業についてであります。
この魚菜市場は、昭和28年に引揚者等を中心とした生活困窮者の救済を目的に市が開設したもので、その後、昭和42年に現在の鉄筋コンクリート造に建てかえられております。周辺には魚介類を扱う商店や、各種多様な商店などの集積によって、地域の台所として親しまれてまいりました。
しかしながら、時代の流れとともに流通の変化や消費者ニーズの変化、八食センターなど他地域への散在などもあり、かつてのにぎわいが失われつつあります。観光的には、全国的にも有名であり、このまま消え去るには、まことに忍びがたいところであります。
湊地区の方々もこの現状を憂慮し、地域の活性化を図るため、さまざま検討を重ねてきております。最近では、平成14年に湊地区再生まちづくり促進協議会が設立し、陸奥湊地区全体のまちづくりに向けて研究や協議を重ねてまいりました。また、八戸市としても平成15年度湊地区まちづくり事業基本構想、平成17年度湊地区まちづくり事業基本計画の調査を行い、計画を示しております。
また、地域では地権者を中心に、平成18年5月に再開発準備組合を設立し、具体的な計画検討を行ってきております。しかしながら、経済的問題や商業環境の変化など問題も多く、実行には至りませんでした。
一時、桃川の跡地売却のときには、市に買い取っていただき、再開発をやろうというところまで来ましたが、それも残念ながら実行することはできませんでした。それでも地元の方々は、細々ながら希望の灯をともし、会合を開き、いろいろ検討をしてまいったのであります。
今回の魚菜市場建てかえを前提とした調査予算計上は小林市長の英断であり、高く評価いたします。これまでまちづくりは、どちらかというと中心街に特化され、その不公平感を抱いてきております。
八戸は海から拓けたと言われるように、海と浜は八戸市の重要な一部であります。その中でも象徴的な陸奥湊に行政の光が当たることは明るい話題であり、湊が望んでいた事業の1つであります。八戸市の観光の出発点は、湊の朝市からスタートしていただきたいものであります。
湊や小中野地区の復活に期待をしながら、1点目として、市場を核とした湊、小中野地区まちづくり事業の調査内容についてお伺いをしたいと思います。
2点目は、これまでの方針を変えて建てかえることになりました陸奥湊魚菜市場の八戸市と再開発地区地権者などとの協議や事業を進めることに当たり、その運営主体などの必要なことにつきましてお伺いをしたいと思います。
3点目として、八戸市が魚菜市場を建てかえ、そして民間が所有する市場とあわせて建てかえするという官民連携の形は、まちづくりという大きなテーマでは、有意義かつ理想的な事業と思われます。この共同による建てかえによってまちづくり推進が行われることの意義について、市長の御所見をお伺いしたいと思います。
次は、観光行政についてお伺いいたします。
観光は全ての業種にかかわってくる、裾野の広い、有望な分野であります。八戸には三社大祭、えんぶりなどの祭り、八幡の赤糸威鎧、縄文の合掌土偶などの国宝、種差海岸や白浜、蕪島などの風景や、最近では工場群もブームと伺っております。また、八戸の誇る食の文化など数多くあると思います。
そんな中、文化庁が認定する日本遺産にも注目が集まっております。日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化、伝統を語るストーリーを日本遺産として文化庁が認定するものであります。八戸市もこの日本遺産認定に向けてチャレンジされているようですので、これまでの経過と現状についてお伺いをしたいと思います。
2点目は、広域観光と地場産品の消費拡大についてであります。
広域観光につきましても、これまでもさまざまな形で鋭意取り組まれてきておりますが、八戸市が中核市となることで、また新たな段階に入るのではないでしょうか。特に観光振興が図られ、物販が進み、地域産品の消費拡大が図られることが地域経済の発展につながるものと考えられます。
また、先ほどの質問項目にもありました八戸圏域の食や物産品などのブランディングの可能性にもかかわってまいります。これまで以上に広域の連携を深め、地域一丸となった、さらなる広域観光への取り組みと地場産品の消費拡大についての御所見をお伺いいたします。
3点目は、吉田初三郎記念館――潮観荘――についてお伺いしたいと思います。
たびたび議員の皆様も吉田初三郎氏を取り上げられ、その潮観荘の復元や資料の保存、収集などを望んでまいりました。鳥が空を飛び見渡した風景が鳥瞰図と言われており、その絵の第一人者が吉田初三郎でありまして、種差をこよなく愛し、その足跡をこの八戸に残していただきました。残念ながらそのアトリエは火災によって焼失してしまいましたが、その名前とともに種差海岸は有名になったと伺っております。
過去に、私は質問の中で、現在の南浜支所の建てかえにあわせて、支所南側にある跡地に支所ともども記念館を建てかえるべきと申し上げてまいりました。今まさに三陸復興国立公園となり、種差にインフォメーションセンター施設や駐車場等の設備も整備されてきております。そこに潮観荘が新たに建設されれば鬼に金棒であります。吉田初三郎記念館の建設についての御所見をお伺いいたします。
質問は以上でありますが、トリということで、きずなクラブを代表いたしまして一言申し上げたいと思います。
今3月定例会をもちまして退職されます理事者並びに職員の皆様方に衷心よりお礼を申し上げたいと思います。特に議場において優しいほほ笑みをいただきました女性部長の風張さんには大変ありがとうございました。
以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。
〔28番寺地則行君降壇〕(拍手)
○議長(吉田淳一 君)市長
〔市長小林眞君登壇〕
◎市長(小林眞 君)寺地議員にお答え申し上げます。
まず、陸奥湊魚菜市場を核としたまちづくり事業についての調査内容についての御質問ですが、市場を核とした湊、小中野地区まちづくり事業の調査は、市営魚菜小売市場の建てかえとあわせて行う民間の再開発事業や観光施設機能の検討等、新たな整備手法によるまちづくりと、地場産品等の販路拡大により陸奥湊駅前地区と小中野地区においての持続的なにぎわいの創出を目的として平成29年度に行うものです。
調査範囲及び対象者は、陸奥湊駅前地区を核とした湊地区全体、そして第二魚市場を核とした小中野地区、さらには、八戸圏域まで広げた物産、農業団体等と考えております。
調査内容といたしましては、事業者、生産者の出店意向及び八戸圏域の食や物産品等のブランディングの可能性を踏まえた現状調査、新たな市場の基本コンセプトや事業計画案、スケジュール等の事業化フレームの検討、管理運営手法や管理運営計画、経営収支計画等運営体制の検討の大きく3つの柱を考えており、両地区が八食センターや館鼻岸壁朝市とは別の魅力を持ち、地域ブランドが創出される地区となるよう調査を進めてまいります。
次に、再開発事業を進めるに当たり必要なことついてお答え申し上げます。
今回の調査では、地元権利者の権利変換モデルと、事業採算や管理運営計画まで検討し、より実施段階に近い事業計画やスケジュールを立てる予定としております。建物の区分所有や資金計画に関係してくる管理運営の体制については、市街地再開発組合の設立や地元権利者の出資に加え、民間の事業協力者の出資を募り、再開発会社を設立して進める方法等があります。
今後、事業が進んでいくと、調査設計や既存建築物等の除却に係る費用については、国、市からの補助制度の活用も見込まれますが、建築物整備の総事業費の大半は自己負担となることから、貸し付け条件の有利な、公的もしくは民間金融機関からの融資を受ける必要も出てくるものと思われます。
したがいまして、再開発事業の早期実現のためには、事業スキームや資金計画及び新たな市場運営について、実行力のある管理運営体制の構築が事業推進の鍵になっていくものと考えております。
次に、共同建てかえによるまちづくり推進の意義についてお答え申し上げます。
昨年6月、陸奥湊駅前地区再開発準備組合では、陸奥湊駅前地区の活性化に向けて、地権者の賛同が得られやすい東側ブロックに絞った民間による共同建てかえの再検討を開始いたしました。
市といたしましては、市営魚菜小売市場の老朽化が進み、施設建てかえや改修などの時期を迎えていることから、陸奥湊駅前地区の再開発事業の公益性、採算性を高め、確実に事業を進めていき、再開発事業の効果を湊地区全体へ波及させるためには、この民間再開発と一体となって市営魚菜小売市場の建てかえを行い、官民連携による再開発事業を進めていくことが有効な手法であると考えております。
官民連携で進めていくことで事業リスクが軽減され、事業のスピードアップも図られ、このことが湊地区全体の地域住民の積極的なまちづくりへの参加へもつながっていくものと期待しております。あわせて事業への関心度も高まり、新たな出店者や金融機関等、事業の協力者も得やすくなると思われ、このことから地域経済の活性化にも貢献できるものと考えております。
以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
○議長(吉田淳一 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)御答弁をいただきましてありがとうございました。市長には、陸奥湊駅前地区に目を向けていただきまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。中心街との不公平さを感じておりましたので、このことが新しい転機として、また八戸全体によい風が吹くのではないかと感じております。
市長が魚菜市場建てかえと小中野地区への調査費として2500万円を計上すること、特に湊地区に関しましては共同のまちづくりの意味合いからも大きな前進であると捉えております。
浜通りと呼ばれる小中野から鮫までの周辺は、多くの人口が集積し、それなりの深い歴史がある場所であります。先ほどの質問の中でも取り上げましたが、八戸市が合併し、やはり海の幸、また人口の力、さまざまなものが八戸市にとってプラスに働いてきたものとも自負しておりますので、この調査を契機に両地区がまた再生されるように、事業の実施に向けて御努力をお願いしたいと思います。
特に湊地区は再開発事業が伴うわけでありまして、大変難しい計画となり、また実施に当たってはさまざまな問題も起こると思います。行政としましては、よい事業協力者、いわゆるディベロッパーですが、ぜひそういうよいディベロッパーを選定していただいて、事業の実行に当たっていただきたいと思います。
それと、調査内容についても、進捗状況をできるだけ示していただきながら、地元再開発準備組合とも連携を図りながら進めていただければと思います。また、実行スケジュールとか、これからさまざまなことが出てくるわけでありまして、年数的にも早くても四、五年、下手をすれば時間がもう少しかかるかもしれないとも思いますので、なるべくスピードアップをしながら計画を実行していただけるように、そしてまた八戸市としてその計画のリーダーシップをとっていただくように強く御要望を申し上げたいと思います。
今回の調査で注目すべきは、八戸圏域でのブランディングの可能性、先ほど申し上げたような物販を取り扱ったり、アンテナショップと言いますか、そのような物販的な要素を圏域全体なり、もしくは旧南部藩の久慈とか二戸とかいう圏域まで参加できるかどうか、八戸がそういうリーダーシップをとれるかというようなことにもかかわってくるだろうとも思います。
また、陸奥湊駅前という立地条件からいって、JRの協力とか、そしてまた陸奥湊の駅通りは、たまたま県道でありまして、セットバックの問題や県との協力、協議もまた必要になってくるとも思っております。
それから、市長も御心配されているように、個人の再開発となりますので、やはり金融機関のバックアップ、つなぎ融資とか、最終的な高度化資金とか、さまざまな問題で金融機関の協力も十分いただきたいとも思いますので、その辺も御配慮を賜りながら、あと、出資をまた募らなければならないことになろうと思いますので、その出資企業の募集とか、さまざまな意味での協力体制、言うならば総合的な見地から、いろいろな知恵が試されるものだろうと思います。ぜひ今後も調査に当たりながら、細部についての配慮をお願いいたしたいと御要望申し上げます。
ここで大きな転換を打ち出していただきましたので、小林市長に魚菜市場建てかえに向けての意気込みといいますか、コメントとしてお言葉を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(吉田淳一 君)市長
◎市長(小林眞 君)それでは、再質問にお答え申し上げたいと思います。
陸奥湊の魚菜市場につきましては、先ほど寺地議員から壇上でもお話がありましたように、何度か実施手前まで行っては、なかなか前に進めなかったという状況がございました。あそこ自体は、もう八戸の港の顔として、いろいろなテレビに報道されたり、これもかなり回数があると思います。
また、私も企業誘致の検討のためにおいでいただいた皆さんはお連れして、朝あそこで食事をしていただくというようなことも、これまで何度もやってきて、まさに八戸の顔だと思って、何とか前に進められないかということで、これまでも検討を重ねてきたところです。
今般、1つには、小中野地区でありますけれども、やはりD棟を建てかえていくと。これは単に衛生管理の高度化だけではなくて、来街者に八戸は漁港だ、水揚げ、荷さばきといったものを見られるという場所にできないかということもあわせて検討するということも申し上げてきました。
朝市につきましても観光面での、今回はトイレの整備であるとか、あるいは館鼻の測候所の跡を、仮称ではありますけれども、みなと体験学習施設というような形で整備をしていくことで、新井田川河口を囲む形でみなと八戸の1つの大きな顔が形づくられるのではないかということで、その核となるのは、やはり陸奥湊駅前であろうということで、今般いろいろな協議をさせていただく中で、前に進められるという判断をさせていただいたところであります。
先ほど壇上でも申し上げましたが、いろいろな課題がありますし、いろいろな方の協力も得ていかなければならないのですけれども、私が先頭に立って、スピード感を持って実現できるように全力で頑張っていければと思っております。
以上です。
○議長(吉田淳一 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)大変ありがたいお言葉をいただきました。ありがとうございます。ぜひ小林市長が先頭に立って事業の推進に当たっていただければ大変心強いと思っております。
先ほど出ました小中野のD棟のほうも調査するというようなことですので、小中野のほうは高山議員にお任せしたいと思いますので、私は湊の担当をしたいと思っております。ありがとうございました。
この項目の終わりに一言だけちょっと申し上げたいと思います。信じるか信じないかは別として、昔から人々の間には方角、方位ということがございまして、そういう観念があるわけで、八戸市の中心から、市役所を中心とした場合、ちょうど小中野、湊、鮫のほうが北東に当たります。北東というのは俗に言う鬼門と言われる方角でありまして、ぜひこの北東を治めていただいて、八戸市が安定するように配慮していただきたいと思います。そのようなことを申し上げて、さまざまな御要望も申し上げましたが、事業が進捗することを強く望みながら、この項目は終わります。
○議長(吉田淳一 君)以上で発言事項1は終わります。
次に、発言事項2について答弁願います。教育部長
◎教育部長(佐藤浩志 君)それでは、私からは、観光行政についての日本遺産認定についてお答え申し上げます。
平成27年度から始まった日本遺産は、文化財を中心とした点在する地域資源を面的に活用しながら、地域活性化と観光振興を図ることを目的とした制度でございます。平成28年度認定を目指し、八戸市と階上町で共同申請したストーリー、ヤマセと馬が生んだ風俗と景観につきましては、着目点は一定の評価を得たものの、残念ながら認定をいただくことはできませんでした。
この結果を受け、現在、ストーリーの練り直し、それに即した地域資源の絞り込み、わかりやすい地域設定を慎重に行っているところであり、より魅力のある八戸地域特有のストーリーを作成中でございます。
また、本制度の認定を受けるためには、地域活性化及び観光振興を目的とした具体的な地域活性化計画の立案が不可欠であり、それに基づく地域資源の戦略的な活用が必要であります。
このような点を踏まえ、今後は特に観光部署との連携を深め、関係自治体と十分な協議を重ねながら作業の進捗を図り、平成30年度の認定を目指して取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)
まちづくり文化スポーツ観光部長
◎
まちづくり文化スポーツ観光部長(風張知子 君)私からは、広域観光と地場産品の消費拡大についてからお答え申し上げます。
市では、新年度から予定しております八戸圏域
連携中枢都市圏の連携事業といたしまして、戦略的な観光施策の展開を目指す八戸広域観光戦略推進事業並びに地域資源を活用した地域経済の裾野拡大を目指した地場産品の販路拡大事業に取り組むこととしております。
このうち、八戸広域観光戦略推進事業は、圏域8市町村自治体や観光関係者等が一体となって各種事業を実施することで、圏域の認知度の向上と観光入り込み客数の増加を図るものであり、現在、八戸広域観光推進協議会が広域観光戦略を策定しているところでございます。
また、地場産品の販路拡大事業は、首都圏等のイベントに共同で参画いたしまして、圏域の特産品や食などを展示、販売することで認知度を高めますとともに、商品に対するマーケットの評価等の情報を得ることを目指すものでございます。
主な取り組みといたしましては、国内最大級の食品商談展示会であります、スーパーマーケット・トレードショーへの出展を予定しており、圏域内の事業者が、小売業を中心としたスーパーマーケットや流通業界関係者と直接商談する機会を設けまして販路の拡大を図ることとしております。
本年3月下旬に予定しております
連携中枢都市圏の形成を契機といたしまして、今後とも8市町村がスクラムを組み、一体となりまして広域観光の推進や地場産品の販路拡大に努めてまいりたいと考えております。
次に、吉田初三郎記念館――潮観荘――の建設についてお答え申し上げます。
御案内のとおり、吉田初三郎は、大正の広重と呼ばれた鳥瞰図絵師でございまして、種差海岸の美しさに感激し、別荘兼アトリエ――潮観荘――を構えまして創作活動の拠点としておりました。
吉田初三郎記念館につきましては、種差海岸の魅力をより多くの方々に知っていただきたいとのことから、新潮観荘建設事業が政策公約に掲げられております。この事業は、種差海岸駅前にある別荘跡地において、吉田初三郎を初めとする種差海岸ゆかりの文人墨客の紹介及び観光案内機能等を有する施設を整備することとしておりますが、整備に当たりましては、別荘跡地が私有地であることや財源確保などの課題があるほか、民間との協働による整備も含めまして、さまざまな角度から検討する必要があると認識しております。
今後、整備内容につきまして具体的な検討を進める際には、議員から御提案のありました隣接する南浜市民サービスセンターの機能を備えることも含めまして、種差海岸の魅力向上と観光振興のために最もよい形は何かを検討してまいります。
以上でございます。
○議長(吉田淳一 君)寺地議員
◆28番(寺地則行 君)御答弁をいただきましてありがとうございました。
日本遺産認定については、文化庁のほうで100カ所ぐらいを目指し、現在37カ所決まっていると伺っております。平成30年に向けて御努力されているということですので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
やはりそのような冠があると、世界遺産もそうですが、日本遺産ということになると、やはり観光としての見方が変わってくるだろうと思いますので、ぜひ御努力をお願いしたいと思います。
また、広域観光と地場産品の消費拡大、吉田初三郎の記念館につきましては、わざわざ風張部長から御答弁をいただきましてありがとうございました。最後の一般質問の機会に風張部長にお答えしていただけることは大変ありがたいと思っております。
どうぞこれからも広域観光、八戸、ほかの地区でもいろいろやっていると思うのですが、世界から見れば日本というのは日本で、日本から見れば青森県と言ったら青森県でというようなことで、今はそんなに市町村にこだわっている時代ではないと思います。ですから、ぜひ圏域並びに、極端なことを言えば十和田湖と種差海岸が一緒だ、ぐらいの感覚で宣伝することも1つだろうと思いますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。
いろいろな議員の方々や、そしてまたいろいろな質問の中でも、観光については皆さん方が頑張っておられることも認識しておりますので、どうぞうまくいくように、そしてまた八戸の宣伝になるように御努力を御期待申し上げたいと思います。
吉田初三郎の記念館につきましては、多分だんだんに進んでいくだろうと期待はしています。吉田初三郎が生まれてから133年ぐらいたつそうでありまして、そうすると、あと2年すると、ちょうど八戸市も市制施行90周年という節目になり、吉田初三郎の生誕135年という時期に当たると思いますので、その辺のことも適切に判断しながら、どうか事業を進めていただきたいと思います。
我々議員もそうですが、やはり八戸市が大きくなり、そしてまた圏域の中心となって、市長がおっしゃる北東北の雄となるように我々も期待をしているわけでありまして、どうぞその期待に応えられるように、八戸市として頑張っていただくことを御要望して、質問を終わります。
○議長(吉田淳一 君)以上で28番寺地則行議員の質問を終わります。
これにて一般質問を終わります。
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△日程第2 議案64件
○議長(吉田淳一 君)日程第2議案第2号平成29年度八戸市一般会計予算から議案第33号平成28年度八戸市
後期高齢者医療特別会計補正予算まで及び議案第35号八戸市
企業立地促進条例の一部を改正する条例の制定についてから議案第79号八戸市
障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定についてまでを一括議題といたします。
これより上程議案に対する質疑を行います。
御質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉田淳一 君)御質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております議案のうち、平成29年度関係の議案第2号から議案第18号まで、議案第41号から議案第75号まで及び議案第78号並びに議案第79号については、29人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉田淳一 君)御異議なしと認めます。
よって、平成29年度関係議案については、29人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。
ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第8条第1項の規定により、議長においてお手元に配付してあります予算特別委員一覧表のとおり指名いたします。
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│ 予算特別委員一覧表 │
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│ 久 保 百 恵 岡 田 英 │
│ 日 當 正 男 中 村 益 則 │
│ 苫米地 あつ子 田 端 文 明 │
│ 冷 水 保 三 浦 博 司 │
│ 高 橋 一 馬 高 山 元 延 │
│ 工 藤 悠 平 夏 坂 修 │
│ 伊 藤 圓 子 山 名 文 世 │
│ 藤 川 優 里 小屋敷 孝 │
│ 森 園 秀 一 壬 生 八十博 │
│ 豊 田 美 好 立 花 敬 之 │
│ 前 澤 時 廣 田名部 和 義 │
│ 五 戸 定 博 八 嶋 隆 │
│ 寺 地 則 行 秋 山 恭 寛 │
│ 大 館 恒 夫 坂 本 美 洋 │
│ 吉 田 博 司 │
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なお、予算特別委員は、次の休憩中に委員会を開き、正副委員長の互選を行うよう、本席から口頭をもって委員会を招集いたします。
この際、委員会開催のため暫時休憩いたします。
午後3時57分 休憩
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午後4時09分 再開
○議長(吉田淳一 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
予算特別委員会において正副委員長の互選を行った結果、委員長に小屋敷孝委員、副委員長に三浦博司委員が当選した旨の報告がありました。
次に、ただいま議題となっております議案のうち、平成28年度関係の議案第19号から議案第33号まで、議案第35号から議案第40号まで及び議案第76号並びに議案第77号をお手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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休会の件
○議長(吉田淳一 君)以上で本日の日程は全部終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
委員会開催のため、明日は休会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(吉田淳一 君)御異議なしと認めます。
よって、明日は休会することに決しました。
次回本会議は、3月3日午後1時に開きます。
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散 会
○議長(吉田淳一 君)本日はこれにて散会いたします。
午後4時10分 散会...